SSブログ

爆発的な収益は売りトレードによってもたらされる [システムトレード]

システムトレードにおいて、売りで収益を上げることが出来るドテンシステムは、ほぼ確実にインデックスに勝つことが出来ます。
これは、ちょっと考えれば明らかなことです。ただし、ここでは「ほぼ確実」と表現しました。その理由につきましては、後述します。

そのシステムにおける買いトレードの単株基準資産カーブを見ると、個々のトレード期間中は長期保有の株価推移(インデックス)とほぼ重なります。
あるトレードの重なり部分の始点が、直近トレードの同終点と同じであれば、この2つのトレードにおける資産推移は、インデックスと概ね等しくなります。

もしも、上記終点が同始点よりも高い株価であれば、それはその間の売りトレードでプラスになったことを意味します。逆であれば、売りトレードはマイナスだったということです。
さらに売りでプラスの場合、続く買いトレードの始点はインデックスのそれよりも低い位置にあるわけですから、その差額分だけ利益が上乗せされます。それは売りトレードのプラス分と等しくなります。

すなわち、ドテンシステムにおいて売りトレードでプラスになるということは、全体としてその2倍の収益をもたらすということになるわけです。
逆に、売りトレードの損失は、2倍になって圧し掛かってきます。それだけに、売りシステムの出来如何が、トレーディングシステムの性能を左右すると言っても、過言ではありません。

KFシステムクリエイターによって設計したシステムは、多くの場合、買い損益と売り損益がほぼ同じ水準となります。それは裏を返せば、そのシステムは確実にインデックス、すなわち長期保有を上回る収益をもたらす、ということです。

逆に、売り収益が買い収益と比べて極端に小さいシステムは、システム全体としては良好な性能を示しているように見えても、長期保有に勝てない可能性があります。
そのようなシステムの運用に当たっては、買いのみで運用する等の対処が必要になるかもしれません。

上記について、簡単な例で説明いたします。ここで話を簡単にするために、単株運用の場合で考えてみます。株式の長期保有は、複利運用であると同時に単株運用でもあります。
トレーディングシステムにおいても、単株運用は取扱が容易であり、株価との比較も簡単です。

ある株式を長期保有している場合を考えます。その株価は上昇と下降を繰り返しながら、保有開始時の2倍まで上昇したものとします。
単純にこれを持ち続けた場合は、最終的に資産残高は2倍になるに過ぎません。

では、株価が5割上昇したところで一旦頭打ちになり、元の株価まで戻った後に、再び上昇して一気に2倍まで達した場合を考えてみましょう。
理想的なシステムの場合、買いでエントリーした後、5割上昇したところで買いを手仕舞いすると同時に売りドテンし、元の株価に戻ると同時に売りを手仕舞いして買いドテンします。後は、2倍になるまで買い保有です。

その場合、元の株価を1,000円とすると、最初の買いで500円、続く売りで500円、買い直しで1,000円の利益となり、単純保有の場合の2倍となる2,000円の収益、すなわち3倍の資産残高になります。
これは見方を変えると、売りが加わることによって、売りで500円、売り建て時点に戻るまでの買いで500円の収益になるということです。すなわち、売りトレードによる収益は、実質2倍にカウントされる訳です。

単株運用の場合でこうなのですから、これが複利運用となると、その効果は更に高まります。
上記の例ですと、全資産を運用したとして、資産残高は実に4倍になります。単純保有が2倍、ドテン運用で3倍ですから、ドテン+複利の効果が如何に凄いものであるかが分かります。

実は、これまでの話にはちょっとしたカラクリがあります。それは、トレードを執行する株価はインデックスとは必ずしも同じではない、ということです。
KFシステムクリエイターにおいては、引け判定、翌寄付き売買の方式を取っています。

もうお分かりのように、インデックスは終値、すなわち引値が適用されます。一方、システムはその限りではなく、実際の売買価格は始値、すなわち寄値が適用される場合がほとんどです。

システム全体としてのトレード数が少ない、すなわち1トレード当たりのポジション継続期間が長いシステムであれば、インデックスとの差異はさほど大きくありませんが、逆張りシステムのように同期間が比較的短くなる傾向の場合は、始値と終値との差が収支に大きな影響を与えます。

この始値と終値の差、すなわち日差が完全にランダムであり、その累計がゼロに収束するのであれば、個々のトレードにおける収支変動はあっても、長期的にはインデックスとシステムとの差はさほど開きません。
しかし、以前から述べているように、日差の累計は一般に収束することはなく、トレンドを持った推移となる場合が大半です。

これは裏を返せば、始値と終値の違いを無視できないということです。特に、ポジション継続期間が短いシステムの場合は、違いが顕著になって表れます。
その結果、売りシステムが比較的良く機能しているにもかかわらず、インデックスに勝てない場合があるかもしれません。

あくまでインデックスとの比較という面で考えれば、売りシステムによる収益は、そのシステムがインデックスに勝るための必要条件です。
しかし、そもそもインデックスそのものが低迷している場合、システムがいくらインデックスに勝ったとしても、収支がプラスにならなければ意味はありません。

システムトレードはあくまで絶対的な収益を目指すものであって、インデックスに勝つことは目安の一つに過ぎないのです。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。