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エクセルのちょっといい話(21):エクセル2003の導入 [エクセル]

私は現在でも、KFシステムクリエイターの開発、及びそれを用いたシステム設計には、Microsoftエクセル2003を用いています。
Microsoft365による最新版エクセル(直近バージョン)も所有していますが、システムの互換性と安全性の確認用として利用しているのみです。

私がエクセル2003を使い続けるのは、処理の軽さと互換性の高さのためです。基本的に、エクセル2003で作成したシステムは、以降のバージョンのエクセル(32bit版)でも、マクロを含めて問題なく動作します。

ただし、マクロ実行中に表示が乱れたり、ブックの多重オープン時に表示位置がずれたりするといった問題はありますが、これは直近バージョンの仕様によるものであり、エクセル2003で作成したことが原因という訳ではありません。

エクセル2003では、直近バージョンと比較して、関数や命令の種類がやや少ない、ワークシートの大きさや数に制限がある、等のデメリットもありますが、それらを考慮した設計を行えば、以降のバージョンでも基本的には互換性が保たれます。

また、リソース不足の問題もありますが、これは基本的に32bit版エクセル全般の話であり、直近バージョンでも本質的な違いはありません。
なお、Windowsの設定で、クリップボードの履歴を有効にしておくと、リソースが極端に減少する場合があるので、注意が必要です。

制限の多さは、逆に処理の軽さにもつながるため、エクセル2003では以降のバージョンと比較して、2割程度の処理速度向上が図れます。
わずか2割ではありますが、これは例えば最適化演算等の重い処理を行う場合、5時間掛かるところが4時間で済むことになり、数字以上に大きな効果となります。

さて、そのエクセル2003ですが、当然現在では新規に入手することは出来ません。ただし、抜け道はあります。それは、メルカリなどのフリマサイトや、ヤフオク等のオークションサイトを利用する、ということです。
ただし、グレーゾーンの出品も目立ちますので、注意が必要です。一番安心なのは、パッケージ版を購入することでしょう。

エクセル2003のインストールと認証は、指示に従って進めれば、通常は問題なく行われます。ただし、ボリュームライセンス品等の場合は、認証が通らない場合があるようです。
また、インストールの途中で、エラー1919等により処理が中断する場合がありますが、「無視」を選択すれば、最後までインストールすることが出来ます。

こうしてエクセル2003を導入したとしても、そのまますぐに使えるわけではありません。多くの場合、初期エディションのままとなっていますので、それをサービスパック3(SP3)に更新する必要があります。

以前であれば、自動更新でSP3が適用されたのですが、現在では自動更新は出来ないようです。そのため、手動で更新してやる必要があります。
更新ファイルは、「MicrosoftUpdate カタログ」サイトから入手できますが、cabで圧縮されたmspファイルでの提供となりますので、導入のハードルはやや高いかもしれません。

導入するには、最初にダウンロードしたcabファイルを展開します。これは、ダウンロードしたファイルをダブルクリックし、表示されたmspファイルを右クリックして"展開"を選び、展開先フォルダを指定すれば実行できます。

次に、展開して得られたmspファイルをダブルクリックすれば、Windowsインストーラが起動して、インストールが実行されます。
なお、これらがよく分からない場合は、ネットを探せば実行ファイル形式のインストーラが見つかるかもしれません。

ちなみに、同ファイルの名前は"Office2003SP3-KB923618-FullFile-JPN.exe"となっていますので、これでググればヒットすると思います。
なお、安全でないサイトからの実行形式ファイルのダウンロード及び実行には、ウイルス感染等の危険がありますので、必ずウイルスチェックを行う必要があります。

システムの開発や設計だけなら、以上でエクセル2003を使用できるようになりますが、直近バージョンでの確認や、配布、使用を必要とする場合、エクセル2007以降で採用されたxlsxやxlsm、xlsbなどのファイル形式を扱えた方が便利です。

そのための機能として、2018年までエクセルコンバータ(Microsoft Office 互換機能パック)が提供されていましたが、現在は入手できなくなっています。
上述した「MicrosoftUpdate カタログ」サイトでも見つかりませんでした。

ただし、"FileFormatConverters.exe"で検索すれば、非公式のダウンロードサイトがいくつか見つかるかと思います。
必要な方は、充分なウイルス対策を行った上で試してみてください。

実は、このエクセルコンバータは、その後も更新されており、「MicrosoftUpdate カタログ」に"Microsoft Office 互換機能パック Service Pack 3(SP3)"として掲載されています。サポート技術情報番号はKB2526297です。

この対象製品はOffice2007となっていますが、エクセルコンバータを適用したエクセル2003にも適用可能です。
エクセルコンバータを導入したら、必ずこのSP3も適用するようにしてください。なお、実行形式ファイルは"compatibilitypacksp3-kb2526297-fullfile-ja-jp.exe"ですが、ググれば見つかるかもしれません。

以上、現行環境においてエクセル2003を導入する方法について、説明いたしました。現行のWindows10においては、問題なく使用できるものと思いますが、今秋リリース予定のWindows11については、インストール可能かどうか分かりません。

もっとも、私の貧弱なハード環境では、Windows11へのアップグレードは絶望的な為、私自身への影響は全くありません。
今後、Windows11への移行を考えている方にとっては、エクセル2003の導入に際しては十分注意する必要があります。

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