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帝王バブルの崩壊 [雑感]

オリンパスの、企業買収を巡る疑惑の真相が、明らかになってきました。結局は、90年代の巨額な不良債権隠しのツケを支払わされたようです。
この事実を、当事者以外の現経営陣は、直近まで知らなかったということですが、逆に言えば、当事者たちが10年以上の長期に渡って、権力の座に君臨してきたということです。

その構造が崩れそうになると見るや否や、都合の悪い人物を飛ばし、なおも隠蔽を続けようとしてきたわけです。
当然、その雰囲気は長らく社内にも伝わってきたことでしょう。その結果が、恐らく数年前から続くであろう、コンプライアンスの欠如として現れていたのではないかと思います。

この構造は、大王製紙の事件とほとんど同じです。また、これまでに何度となく取りざたされてきた偽装事件などとも、構造を一にするものです。
一体なぜ、こうも同じような事件が起こってしまうのでしょうか?

その最大の理由の一つとして、経営者のリスク管理能力の欠如が挙げられるのではないかと思います。いわゆる、損切りのできない体質です。
オリンパスの事例で言えば、不良債権が生じた時点で、それを決算報告していれば、このような事態には陥らなかったはずです。

それを隠したところ、たまたまばれずに上手くいった。一度そのような状態を経験すると、次も同じような行動を取ろうとします。
これは、順張り思考の悪い側面です。良い状態は順張りで、悪い状態は逆張りで対処しなければなりません。

そして最も悪いことに、その行動はどんどんエスカレートしていってしまいます。それに気付いた者や、気付きそうな高い見識を持った者を、徹底的に排除するようになってくるでしょう。
そのような意識や行動は、やがて企業風土として根付いてしまい、やがて誰も何も言わなくなってしまいます。

そうなると、帝王バブルの誕生です。もはや逆らうものは誰もいないのですから、やりたい放題になってしまいます。
しかし、それだけ脇が甘くなってしまいます。冷静に考えれば無理だと分かることを、何でもできると勘違いして、やがて自滅していくわけです。

これはまさにバブルの構造そのものです。その状態は、既にパンパンに膨らんでいるわけですから、ちょっとした針の一突きで、いとも簡単に破裂してしまうことになります。
しかし、悲しいかな、帝王にとっては破裂する瞬間まで、あるいは破裂してもなお、そのことに気付かないのでしょう。

糾弾されたり、罰を受けたりして初めて、自らのバブルが崩壊したことに心底気付くのです。そうなるまでには、徹底した責任逃れに奔走することでしょう。
しかし、逃げ場はありません。早く自らの非を認めればともかく、抵抗すればするほど、自らの首を絞めていくことに、果たして気付くことができるのでしょうか?

最後までそれに気付かない者の末路は哀れです。中には物理的に自らの首を絞めてしまう者も、少なからず存在するでしょう。
そうならない為には、真実を全て明らかにすると共に、心の底から謝罪し、かつ必要があれば弁済することを心掛けなければなりません。

結局は、それが一人の人間として立ち直るための、一番の近道なのではないかと思います。

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