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非常時のリスク管理 [投資・経済全般]

私は個別株式のトレードしか行っていないのですが、今回の東日本大震災による指数先物の暴落によって、莫大な損害を被ったトレーダーが少なくないと聞きます。
もちろん、個別株式を保有していた投資家の被害も甚大でしょうが、一先ずは最悪期を脱しているのではないでしょうか。

被害の大きさは、恐らく持っていたポジションの大きさ、あるいはレバレッジの大きさに依存するものと思います。
私の場合は、システムではノーポジションでしたし、現物株も運用資産の一部のみでしたので、被害は最小限に留まりました。

しかし、逆方向に大きなポジションを持っていたトレーダーは、非常に怖い思いをされたのではないかと想像します。
その場合、特に問題となったのが、リスク管理ではないでしょうか。

通常の現物株であれば、リスクは固定ですし、ほぼ完全に管理することができます。信用取引であっても、代用有価証券の掛目が変更されるという想定外(本当はこれも想定しないといけないのでしょうが)のリスクはありますが、現金のみで運用するのであれば、そのリスクはあらかじめ想定しておくことができます。

一方、指数先物の場合は、委託証拠金の根拠となるSPAN証拠金やその掛け率が変更になる場合があり、その大きさをあらかじめ見積もっておくことは困難です。
十分な余裕を持って運用していたつもりでも、今回のような非常時においては、容易にオーバーリスクに陥ってしまうでしょう。

それに耐えられずに追い証を要求されたり、強制決済された結果が、甚大な被害につながったものと考えられます。
もちろん、投資は自己責任であり、これらの変更は随時行われると明言されていますので、結局は過大なリスクを取ってしまったということで片付けられてしまいます。

もっと悲惨なのが、プットオプションの売りでしょう。この場合、瞬間的に実効ギヤリングが通常の100倍以上に膨らみ、それで多額の不足金を発生させながら、強制終了させられたトレーダーが多かったようです。

そう考えると、これはもはや通常のリスク管理の範疇を超えています。このような状況を想定してトレードを行なっている人はそう多くはないでしょう。
十分な資金量があり、そのごく一部を使って運用していた人であれば、SQまで保持できたかもしれませんが、そうでない人はSQを迎えずに撃沈してしまったのかもしれません。

結局のところ、鉄板トレードは存在せず、どんな時でもそれなりのリスクが掛かるわけですが、それならば、まだそのリスクを読めるトレードの方が安全である、ということになるでしょう。
そう考えると、個別株式のトレードは十分な分散と資金管理さえ行なっていれば、それなりに安全なのではないかと考えます。

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コメント 2

たかとび

お疲れ様です。
オプションは全然わからないのですが売りで大分損失がでた
みたいですね。。
証券会社も顧客の損失かぶって大変そうです。
by たかとび (2011-04-02 12:24) 

Kフロー

どなたかも指摘していましたが、プットオプションの売りと原発は、リスク構造が似ているようです。平時であれば比較的安全なのですが、想定外の出来事に対しては大きなダメージを受けてしまいます。

結局のところ、どこまで想定可能かが重要ということですね。個人的には、十分なバックグラウンド(資金、技術、理論、等)があれば、いずれもリスク管理可能だと思っています。

by Kフロー (2011-04-02 16:05) 

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