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システムの要素分解 [システムトレード]

一般に、相関が強くない2つの良く機能する同一銘柄システムを合成すると、全体のリスクを低減することができます。
昨日のコラムで述べましたように、一部のフィルタはそのような原理でシステム性能を向上させているものと考えられます。

さて、これは元のシステム同士を合成して、新しいシステムを作り上げるという話です。逆に、今あるシステムから遡って、それが複数の異なるシステムを合成した結果であることを示すことはできるのでしょうか?

これは言うなれば、システムの要素分解です。

もしもそのような分解が可能であるならば、各要素となるシステム同士の相関や性能を調べることで、分解元のシステムの性能を判定することができるかもしれません。
逆に、分解された要素の中に、運用に相応しくないシステムが存在した場合、それを除いて再合成すれば、最初よりも高性能なシステムが得られるかもしれません。

そんなことを、ふと考えました。

もちろん、それが可能かどうかは分かりませんし、可能であったとしても科学的には全く意味のない結果となるかもしれません。
また、再合成の結果が、いわば「逆過剰最適化」になってしまうかもしれません。

まあ、これ以上能書きを垂れていても仕方がありませんので、とりあえず具体的に考えてみたいと思います。
ちなみに、分解のルールは合成の真逆となります。

まず、出発点はドテンシステムとします。これは、ロングとショートが完全に交互に現れ、キャッシュポジションは存在しないものとします。
最も単純な要素システムは、ロングとキャッシュのみのシステム(買いシステム)と、ショートとキャッシュのみのシステム(売りシステム)になります。

ここまでは、通常のシステムであれば特に意識することなく作成することができます。むしろ、先にこれらの要素システムを作成した上で、それらを合成することでドテンシステムを作成することも多々あるでしょう。

この段階において言えることは、良く機能するドテンシステムを得るためには、良く機能する買いシステムと、同じく良く機能する売りシステムとを合成するという、極めて当たり前のことを行なう、ということだけです。

この時、買いシステムと売りシステムの相関は、通常は大きくなり得ませんので、あくまでそれらの機能性(性能)のみを問題にすれば良いことになります。
また、両システムが完全に交互に売買されない場合は、得られる合成ドテンシステムにはキャッシュポジションが含まれます。

さて、問題は良く機能する買いシステム、あるいは売りシステムを、更に要素分解可能かどうか、ということですが、これについては縦(出力)方向の分解を一意的に行なうことは、恐らく不可能でしょう。

ボトムアップは可能ですが、トップダウンは不可能ということです。例えば、(x,y,z)の3つの要素を合成してXというシステムを得ることは可能ですが、Xというシステムを合理的に分解して、(x,y,z)という3つの要素を得ることは極めて困難です。

しかし、縦方向の分解は不可能であったとしても、横(時間)方向の分解は可能かもしれません。すなわち、株価推移あるいはその結果としてのシステム出力の季節要因を調べ、それに沿ってシステムをいくつかの時間軸毎に分解することは、不可能ではないでしょう。

ただし、それがシステムに後からフィルタを充てるのと、何の違いがあるのかと問われれば、答えに窮するかもしれません。
ただ、フィルタの持つシステム的な意味合いを調べるためには、多少は意味があるようにも思います。・・・やっぱり、ちょっとよく分かりませんね。

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