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システムの時間分割 [システムトレード]

昨日のコラムでは、システムの要素分割の可能性について考えてみました。そこでは、明確な結論は得られなかったものの、少なくともシステムの時間分割に関しては、システム性能向上の可能性があるのではないかと思った次第です。

さて、システムの時間分割と言いましても、それだけでは具体的にどのようなアプローチを採れば良いのかよく分かりません。
今回は、その辺りについてもう少し考えてみたいと思います。

システムを時間軸方向に分割するに当たり、前半と後半などといったような分け方では、上手くいかないことは明らかです。
これは、例えばリーマンショック前と後とで、異なったシステムを使うようなものですが、その行為が非常に恣意的であることは、疑う余地がないでしょう。

それならばむしろ、最初からリーマンショック後のデータのみを用いて、システムを構築するべきですし、実際にそのようなアプローチを推奨している方も少なくないように思います。
その場合、リーマンショック以前のデータはまったくの無意味であり、それをわざわざ上のシステムにくっつけて議論する必要などないわけです。

すなわち、システムの時間分割を考えるに当たり、それが何らかの周期に依存している必要があることは明らかでしょう。
例えば、1年を2ないしは4分割して、各期間毎にシステムを構築しそれらを合成するとか、ざっくりと株価上昇期と下降期に分けて、それぞれでシステムを構築後合成するとかです。

時間軸をどのように分割するかについては、事前に入念な検討が必要でしょうし、対象とする銘柄によっても異なってくるでしょう。
季節要因の大きい銘柄であれば、需要のピーク期とボトム期で区切れば良いのかもしれませんし、優待銘柄であれば権利落ち前後で区切れば良いかもしれません。

分割する時間軸を決定したら、次はそれを具体的にどのようにシステム化するかですが、それについてはシステムのフィルタ機能を用いれば比較的容易です。
例えば、時間軸を2分割したシステムを構築する場合、最初にベースとなるシステムを2つ用意し、それぞれに正反対のフィルタを掛けるわけです。

そして、それぞれのシステムにおいて、フィルタが掛かった状態で最適化などの処理を行ない、各時間軸における最適なシステムを作成します。
最後にそれらを(1対1で)合成すれば、時間分割を反映したシステムが構築されます。

時間分割の仕方が合理的であれば、再合成したシステムの性能は元のシステムの性能を上回るでしょうし、もしもそうならなかったとしたら、時間分割方法に合理的な正当性がなかった、ということになるでしょう。

ちなみに、これはいわゆるレジームスイッチシステムの一種と呼べるかもしれません。もちろん、分割方法は1種類である必要はなく、例えば半期毎の分割と上昇・下降毎の分割とを組み合わせる、などとしても良いと思います。

その場合、合成後のシステムは通常、多値(うねり取り)システムとなりますが、合成時の処理(例えば閾値を設定するなど)により、買い、売り、キャッシュの3段階のみに落とし込むことも可能だと思います。

システムを時間分割することにより、より多くの局面に適応させることが可能となり、それがシステム性能の向上につながるかもしれません。
ただし、合理的な裏付けのない分割は、システムの信頼性を大きく損なう結果につながる可能性もまた少なくないことを、強く認識する必要があります。

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