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フィルタはシステムだ! [システムトレード]

トレーディングシステムの性能を向上させるために、フィルタを設定して実際に売買するトレードを制御することは、一般的に行なわれています。
しかし、それは結果的にトレード回数を絞り込むことになるため、システム全体の信頼性を損ねる要因になる場合もあります。

そのような危険を冒してまで、フィルタを導入する必要性はあるのでしょうか?そして何よりも、フィルタというものの正体は、いったい何なのでしょうか?
今回は、その問題について考えてみたいと思います。

フィルタと言うと、例えば長期移動平均が上昇している時のみ売買を行なうなど、元のシステムのトレードが有利になる局面を意図的に選択する役割を持っています。
しかし、それだけではフィルタの適用が有効かどうか、判断が難しくなります。

と言いますのは、フィルタの適用によって、かえってシステムの信頼性が損なわれる事例が、多々あるからです。
その理由については、従来は「過剰最適化」の一言で片付けられていたように思います。

しかし、本当の理由はもっと他にあるのではないか、少なくとももっと合理的に考えられる理由があるのではないか、と考えます。
それが、表題に掲げた命題です。これは、私が実践している正逆合成システムを考えると、分かりやすいのではないかと思います。

順張りシステムの正逆合成を考えた場合、一般的に正システムは長周期の順張りシステムであり、逆システムは短周期の逆張りシステムになります。
これは別の見方をすれば、逆張りシステムのエントリー場面を、順張りシステムが同方向を向いている時のみに限定することに他なりません。

長周期の順張りシステムはトレンドを反映していると考えられますから、これは逆張りシステムに「上昇トレンドの時のみ買いエントリー」、「下降トレンドの時のみ売りエントリー」というフィルタを掛けたシステムと同義になります。

そのようなフィルタの適用が機能する理由は、それと同義の順張りシステムが機能することに他なりません。
機能する2つのシステムを合成すれば、それは過剰最適化とは無縁のシステムポートフォリオとなります。

すなわち、システムの合成によるリスクの低減こそあれ、けしてリスクを増大させる方向には働きません。また、2つのシステムの両方が機能停止しない限り、その合成システムが機能停止することはほとんどありません。

そのように考えると、フィルタと言うものの本質が見えてきます。すなわち、フィルタとはそれ自身がシステムであり、あるシステムにフィルタを適用するということは、フィルタと言うシステムをそのシステムに合成する、ということです。

そのフィルタシステムが正の期待値を有していれば、合成後、すなわちフィルタを適用したシステムは比較的良く機能するでしょう。
しかし、フィルタシステムの期待値が負であると共に、適用するシステムと強い正の相関を有する場合は、それを適用したシステムはかえって信頼性を低下させることになるでしょう。

そう考えると、使えるフィルタと使えないフィルタの違いが明確になってくると思います。そして、それを判定するには、フィルタをシステム化してその性能を検証すると共に、適用先のシステムとの相関を調べれば良いことになるでしょう。

そのような検証過程を経て初めて、フィルタを適用したシステムが有効かどうかの判断ができることになります。
フィルタ適用後のシステムをバックテストしただけでは、そのシステムの信頼性までは分からないと思います。それこそが、過剰最適化に陥りやすい最大の要因なのではないでしょうか。

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