SSブログ

最大保有日数の設定(2) [システムトレード]

昨日の事例では、最適パラメータを先に決定し、それに対して最大保有日数を最適化することにより、システム性能が向上する条件を探りました。
今日は逆に、最大保有日数を先に決めてから、その条件下で最高性能が得られるパラメータを決定することを考えます。

逆張り系のシステムにおいては、保有日数の上限をあらかじめ決めておく事は、よくあります。これは、負けトレードがずるずると続くことを防ぐためですが、単純にそれを行なうと、勝ちトレードまでもが制限されてしまうことになります。

勝ちトレード時の処理を別に行なうことも考えられますが、それにつきましては、今日は取り上げないことにします。
昨日の事例も含めて、あくまで勝ち負けに関係なく、最大保有日数のみを設定することにします。

以下に、いくつかの最大保有日数の設定値に対する、主な性能を示します。


1.買最大保有日数15日、売最大保有日数15日、最適パラメータ(23,0.3)

バックテスト期間における主な性能は、EERが1.37、損益累計が3,900円、PFが1.68、勝率が66.80%、損益レシオが0.84、平均損益率が0.94%、年率リターンが34.16%、時価累積最大ドローダウンが59.05%となっています。

また、勝ちトレードにおける最大保有日数は15日、平均保有日数は4.43日、負けトレードにおける最大保有日数は15日、平均保有日数は9.79日です。
さらに、取引単位未考慮、時価評価、複利運用時の運用後損益率は、8.82%となっています。

2.買最大保有日数5日、売最大保有日数5日、最適パラメータ(36,0.5)

バックテスト期間における主な性能は、EERが1.18、損益累計が2,026円、PFが1.55、勝率が59.32%、損益レシオが1.06、平均損益率が0.76%、年率リターンが19.57%、時価累積最大ドローダウンが30.84%となっています。

また、勝ちトレードにおける最大保有日数は5日、平均保有日数は3.23日、負けトレードにおける最大保有日数は5日、平均保有日数は4.43日です。
さらに、取引単位未考慮、時価評価、複利運用時の運用後損益率は、-5.05%となっています。

3.買最大保有日数22日、売最大保有日数7日、最適パラメータ(23,0.3)

バックテスト期間における主な性能は、EERが1.49、損益累計が4,132円、PFが1.79、勝率が66.80%、損益レシオが0.89、平均損益率が1.05%、年率リターンが41.49%、時価累積最大ドローダウンが42.31%となっています。

また、勝ちトレードにおける最大保有日数は20日、平均保有日数は4.45日、負けトレードにおける最大保有日数は22日、平均保有日数は8.45日です。
さらに、取引単位未考慮、時価評価、複利運用時の運用後損益率は、-15.87%となっています。


最も大きな特徴として、最大保有日数を先に設定することにより、最適パラメータが変化することが分かります。
各性能の違いは、最大保有日数の設定というよりは、最適パラメータの変化が影響しているようです。ちなみに、元システムの最適パラメータは、(19,0.6)です。

特に3番目の結果を見ると分かりますように、先に最適パラメータを決定した後、最大保有日数を最適化した場合と、先に最大保有日数を前者の値に設定した後、パラメータを最適化した場合とを比較すると、得られる結果が異なります。

これは、最適パラメータと最適最大保有日数とが可換ではなく、システムに適用する順序によって異なる結果を与える、ということです。
すなわち、a×b≠b×aということになります。

どちらが優先されるべきかについては、厳密に検討したわけではありませんが、これまでの結果を踏まえると、最適パラメータの決定が優先されるべき、ということになるかと思います。


PS.今日売り建てた日産は、明日の寄付きで早くも手仕舞いとなります。さすがに今回のエントリーは失敗だったようです。

nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 2

たかとび

今までのパフォーマンスからしてみればこれくらい
どうってことないのでは。
この正逆合成システムは通常のテクニカル分析とは違うのですね?
なんとなくそんな気がします。

by たかとび (2010-09-02 11:39) 

Kフロー

たかとびさん、こんにちは。

システム的には、負けトレードを最短で手仕舞ったのですから成功です(結果的には3%超の損失となりましたが)。「失敗」というのはちょっと大げさな表現で、今回のエントリーに関しては「負け」程度の意味合いです。

ただ、もしもシステムに感情があったとしたら、「あちゃ~~~!やってしもうたぁ~~~!!」と叫んでいたかもしれません(^_^;)
あるいは、裁量でこのタイミングで売り建てたならば、やはり「失敗した」と思ったかもしれません。

正逆合成システムは、システムポートフォリオです。したがって、通常のテクニカル分析とはちょっと違うかもしれません。
また、一般的なテクニカル分析(システム)では、様々な指標を組み合わせて、条件をどんどん絞り込んでいくかと思いますが、KFシステムクリエイターでは、そのようなアプローチは採っていません。あくまで、1システム1指標が原則です。

by Kフロー (2010-09-02 17:30) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。