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売買ポジションのチャート表現 [システムトレード]

トレーディングシステムにおいて、株価と売買ポジションとの関係を調べることは有益です。それによって、システムに関する新たな知見が得られるかもしれません。
特に、逆張り系システムにおいては、どのような状況下において損失が生じやすいのか、判断しやすくなります。

一般的なトレーディングシステムにおいては、株価チャート上に矢印で売買ポイントを示す例が多いように思いますが、それだと、どの期間でどのようなポジションとなっているかが、今ひとつ判然としません。

今回、実験的に、株価チャートを買いポジションの場合と売りポジションの場合に分けて、表示してみました。
その対象は、日産自動車の順張り逆システムです。

このシステムにおいて、資産が比較的順調に増加している期間を選び、その期間の売買ポジションをチャートで表してみました。
ただし、エクセルの標準的なチャートでは表現力に限界があるため、ちょっと分かりにくい結果になってしまいました。

選定期間は、2002年1月1日~2004年1月1日の2年間としました。ただし、最適化は1993年11月1日~2007年12月28日の期間で行なっています。
次図に、同期間の累計損益をドテン、買い、売り、そして株価に分けて示します。
100830_01.png
これを見ると、この期間内にドテン運用で、累計損益が約1,600円から約3,000円まで、1,400円ほど増加していることが分かります。
その間の株価増加は500円ほどに留まっていますので、システム運用によって、単純保有の3倍近い収益を上げたことになります。

続いて、この期間にどのような売買ポジションを有していたかを示したのが、以下のチャートになります。赤い部分が買いポジション、青い部分が売りポジションを示しています。
なお、縦軸は株価の始値となっています。これは、このシステムが寄付きで売買するため、損益は始値で決まることによります。
100830_02.png
ところどころに、白い抜けがありますが、これはエクセルの仕様(?)のためであり、ポジションがなかった(キャッシュポジションだった)訳ではありません。
また、細かい部分は潰れてしまって、よく見えません。

そこで、買いポジションの場合と売りポジションの場合とを、分けて表示したのが、次の2つのチャートになります。
上段が買いポジション、下段が売りポジションの場合です。
100830_03.png
100830_04.png
これらを見ますと、株価の下落過程で買いポジション、上昇過程で売りポジションを採っている様子が目に付きます。
これは、ちょっと奇異な感じがします。収益は上がっているはずなのに、何故か逆のポジションの方が多いように見えるからです。

実は、比較的短期で終了するトレードは利益が出やすく、長期間保有してしまうトレードは、損失となりやすいことが予想されます。
チャートでは、どうしても幅の広い部分に注目しがちなため、損失の出るポジションの方が多く見えてしまう訳です。

ただ、このことから、一つの方向性が見えてきます。すなわち、ある期間以上ポジションを持った場合は、損失が拡大しやすい、ということです。
したがって、トレード期間に上限を設けるフィルタを付加すれば、システムの性能向上が期待できることになります。

明日は、この点について実際に検討した結果を交え、考えてみたいと思います。


PS.このところ、研究所サイトにつながりにくい症状が頻繁に起こっているようです。管理者に連絡しようとすると回復したりするので、対応に苦慮しています。
しばらくご不便をお掛けするかもしれませんが、ご容赦ください。

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中古車査定

この記事気に入りました!
by 中古車査定 (2012-06-01 21:34) 

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