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システム効率(2) [システムトレード]

いくつかの実システムで確認すると、システム効率は概ね数パーセントとなる場合が多いようです。もちろん、資産カーブが右肩上がりのシステムでは、システム効率は大抵プラスになりますし、実際に確認はしていませんが、期待値がマイナスのシステムでは、システム効率はマイナスになるものと考えられます。

ただ、昨日のコラムで示したチャートでも分かるように、システム効率は周期構造を有する場合が多々あります。時期によっては、システム効率がマイナスになることもあります。
これは恐らく、システムのロジックに起因する現象だと思われます。

今回の検討に用いた自己相関システムでは、基本的に価格推移の周期性に着目している訳ですが(これはパラメータに日数が含まれることから明らかです)、その周期性が、何らかの形でシステム効率に影響しているものと考えます。

例えば周期性を伴わないロジックを用いたシステムであれば、システム効率の変動は抑えられるかもしれませんし、マルチファクターモデルを用いたシステムなどであれば、もう少し高い効率が得られるかもしれません。

これはあくまで仮説に過ぎませんが、システム効率に求められる要件としては、できるだけ変動が少なく、かつ、平均的に効率が高いことが理想です。
すなわち、システム効率の平均値が大きく、かつ、標準偏差が小さいことが求められます。

そのような状態が、システムのテスト期間中および運用期間中に維持されていれば、そのシステムは有効に機能している可能性が高いでしょう。
逆に、システム効率が急激に低下するような場合は、システムが機能しなくなった可能性が高いと言えます。

しかし、現実問題として、システム効率の周期性を排除したシステムの作成は困難です。特に、自己相関システムにおいては、価格推移の周期性を抜きにして、なかなか有効なシステムを見出すことは出来ません。
その結果、システム効率は大なり小なり、周期性を持ってしまいます。

ただ、その周期が安定的であれば、想定される周期と振幅のズレを測定することによって、同じくシステムの機能状態を確認することができるものと考えます。
例えば、バックテスト期間の直近日付近において、システム効率の振幅が急激に縮小し、値そのものも低下しているような場合は、そのシステムの運用は見合わせた方が無難です。

また、同じく直近において、システム効率の周期が大きく変化した場合も、要注意かもしれません。その場合は、本来あるべきはずの振幅が縮小したために、周期が変化したように見えることもあるかもしれません。

統計的な処理を行う場合、基本的にはある程度の期間が必要となります。特に、日次システムの場合は、年間の売買回数があまり多くなりませんので、例えば相関係数などの算出を行なうためには、数年程度の期間を要することになります。

一方、システム効率の場合は、数10日~1年程度の期間単位で、十分にシステムの傾向を把握することができます。
システムの性能、特にその機能度合いを評価する手法の一つとして、システム効率の検討を行なっていきたいと思います。

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