システム効率（１） [システムトレード]
理想システムは、その対象となるシステム群の中で最高の性能を有する、唯一無二のシステムです。ここで注意しなければならないのは、対象となるシステム群によって理想システムは異なる、ということです。
例えば、日次寄付売買システムの理想システムと、寄引売買システムの理想システムは異なりますし、あるいは同じ日次寄付売買システムであっても、市場や銘柄が異なれば、当然、それらの理想システムは異なります。
ただし、例えば日産自動車の日次寄付売買システムであれば、移動平均システムであれ、ブレイクアウトシステムであれ、あるいはRSIシステムであれ、それらの理想システムはただ一つのみ存在します。もちろん、パラメータの異なるシステムについても同様です。
もう一つの重要な事柄は、理想システムは実システムを測定するための物差しに過ぎない、ということです。
理想システムそのものを実システムと同様に運用することは出来ませんし、そんなことをしても無意味です。
理想システムは、対象とするシステム群の中における、評価基準に過ぎないわけです。しかし、それが絶対的な評価基準であるという事実が重要なのであり、全ての実システムは、この絶対的な基準に対する相対的な評価を受けることになります。
さて、理想システムは、価格の増減方向と売買の方向とが完全に一致しているわけですが、実システムにおいても、価格の増減方向と売買の方向との一致度合いが大きいほど、優れたシステムであると言えます。
実システムのその一致度合いを求めるためには、理想システムの建玉保有状態と実システムのそれとを比較（測定）すれば良いわけです。
測定対象期間中の保有状態一致日数を、測定対象期間の日数で割れば、それが価格の増減方向と売買の方向との一致度合いを表します。
これを百分率で表し、「システム効率」と定義します。システム効率は、実システムがどの程度機能しているかを測る目安となります。
システム効率の値や推移は、当然、測定対象期間の採り方によって異なります。
測定対象期間を短くすれば、システム効率は変動の大きい推移を示し、長くすれば変動が小さくなる代わりに時間的な遅れが生じます。
以下に、日産自動車順張り逆（P1r）システムのシステム効率を、測定対象期間41日（2ヶ月）、123日（半年）、246日（1年）で求めた結果を順に示します。
システム効率は日付によって大きく変化していますが、その推移には周期性が見られます。この周期性に着目すれば、システムが機能しやすい時期を、ある程度見当付けることができるかもしれません。
なお、このシステムの平均システム効率は、全期間で4.54%となっています。
システム効率が5%弱というと、随分小さいように感じられるかもしれませんが、これでも年率リターンは30%強ほどあります。
ちなみに、理想システムの年率リターンは6,480%弱、平均リターンでも430%強もあります。
ところで、定義からも明らかなように、システム効率の算出には価格は一切含まれません。あくまで、増減の方向のみを問題としています。
そのため、実システムのリターンと理想システムのリターンとは、レバレッジ等を調整しても完全には一致しません。
価格は本来、ランダム要素の強いものですし、株式分割などによって容易にその水準が変わります。その都度、理想システムそのものが変わってしまったら、それは唯一無二ではなくなります。
もちろん、価格水準の変更によって理想システムの各種性能指標は変化しますが、そのシグナル（売買方向）は変化しません。
ここで着目しているのは、あくまで理想システムのシグナルのみであり、価格情報や資産情報は一切考慮されません。
もちろん、株価の変化は参照しますが、その大きさそのものは無関係です。
システム効率の分子となる保有状態一致日数は、言ってみれば、そのシステムが機能した日数を表します。
逆に言えば、それ以外の日においては、システムは機能していない、ということです。
そして、システム効率が5%というのは、全期間のたった5%の期間しかシステムが機能していない、ということです。
しかし、それでも年率30%もの収益が得られるのです。
明日のコラムでは、システム効率について、もう少し考えていきたいと思います。
例えば、日次寄付売買システムの理想システムと、寄引売買システムの理想システムは異なりますし、あるいは同じ日次寄付売買システムであっても、市場や銘柄が異なれば、当然、それらの理想システムは異なります。
ただし、例えば日産自動車の日次寄付売買システムであれば、移動平均システムであれ、ブレイクアウトシステムであれ、あるいはRSIシステムであれ、それらの理想システムはただ一つのみ存在します。もちろん、パラメータの異なるシステムについても同様です。
もう一つの重要な事柄は、理想システムは実システムを測定するための物差しに過ぎない、ということです。
理想システムそのものを実システムと同様に運用することは出来ませんし、そんなことをしても無意味です。
理想システムは、対象とするシステム群の中における、評価基準に過ぎないわけです。しかし、それが絶対的な評価基準であるという事実が重要なのであり、全ての実システムは、この絶対的な基準に対する相対的な評価を受けることになります。
さて、理想システムは、価格の増減方向と売買の方向とが完全に一致しているわけですが、実システムにおいても、価格の増減方向と売買の方向との一致度合いが大きいほど、優れたシステムであると言えます。
実システムのその一致度合いを求めるためには、理想システムの建玉保有状態と実システムのそれとを比較（測定）すれば良いわけです。
測定対象期間中の保有状態一致日数を、測定対象期間の日数で割れば、それが価格の増減方向と売買の方向との一致度合いを表します。
これを百分率で表し、「システム効率」と定義します。システム効率は、実システムがどの程度機能しているかを測る目安となります。
システム効率の値や推移は、当然、測定対象期間の採り方によって異なります。
測定対象期間を短くすれば、システム効率は変動の大きい推移を示し、長くすれば変動が小さくなる代わりに時間的な遅れが生じます。
以下に、日産自動車順張り逆（P1r）システムのシステム効率を、測定対象期間41日（2ヶ月）、123日（半年）、246日（1年）で求めた結果を順に示します。
システム効率は日付によって大きく変化していますが、その推移には周期性が見られます。この周期性に着目すれば、システムが機能しやすい時期を、ある程度見当付けることができるかもしれません。
なお、このシステムの平均システム効率は、全期間で4.54%となっています。
システム効率が5%弱というと、随分小さいように感じられるかもしれませんが、これでも年率リターンは30%強ほどあります。
ちなみに、理想システムの年率リターンは6,480%弱、平均リターンでも430%強もあります。
ところで、定義からも明らかなように、システム効率の算出には価格は一切含まれません。あくまで、増減の方向のみを問題としています。
そのため、実システムのリターンと理想システムのリターンとは、レバレッジ等を調整しても完全には一致しません。
価格は本来、ランダム要素の強いものですし、株式分割などによって容易にその水準が変わります。その都度、理想システムそのものが変わってしまったら、それは唯一無二ではなくなります。
もちろん、価格水準の変更によって理想システムの各種性能指標は変化しますが、そのシグナル（売買方向）は変化しません。
ここで着目しているのは、あくまで理想システムのシグナルのみであり、価格情報や資産情報は一切考慮されません。
もちろん、株価の変化は参照しますが、その大きさそのものは無関係です。
システム効率の分子となる保有状態一致日数は、言ってみれば、そのシステムが機能した日数を表します。
逆に言えば、それ以外の日においては、システムは機能していない、ということです。
そして、システム効率が5%というのは、全期間のたった5%の期間しかシステムが機能していない、ということです。
しかし、それでも年率30%もの収益が得られるのです。
明日のコラムでは、システム効率について、もう少し考えていきたいと思います。
marbeeさん、こんにちは。
いつもありがとうございます。
by Ｋフロー (2010-06-22 09:01)
cdffireさん、nice!をいただき、ありがとうございます。
by Ｋフロー (2010-06-23 08:39)