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そうか、根元は高レバレッジ社会だったのか! [雑感]

昨日のコラムを書いていてふと思ったのですが、リスク率とレバレッジの関係は、何もトレードに限った話ではないように感じます。
それは、現在社会が恐ろしいほどの高レバレッジで運営されているのではないか、ということです。

世界的に見れば、先進諸国は言うまでもなく高レバレッジ状態ですし、発展途上国は低レバレッジに喘いでいます。
そんな中、長い下積み期間を経て、中国や韓国が高レバレッジによる複利の恩恵を受けられるようになってきました。

韓国は一度、レバレッジを高め過ぎたが故に、深刻な経済危機に見舞われていますが、その後は劇的に回復し、欧米諸国における競争力を強めています。
中国はまだ、高レバレッジ下の大幅なドローダウンを経験していませんが、確実に運用収益を高めてきています。

一方、欧米諸国ではサブプライムローン問題に端を発するリーマンショックで、大幅なドローダウンを余儀なくされました。
日本に至っては、それよりも遥か以前に、バブルの崩壊というドローダウンを被ってから、未だドローダウン期間を脱していません。

これらの原因は、ドローダウンという不可避の事態に対し、過度のレバレッジによる経済の肥大と、その結果生じたリスク率の悪化が、ドローダウンの大きさを増幅させてしまったことにあると考えられます。

昨日の例で言えば、当初はわずか3%に過ぎなかったリスク率が、いつの間にか60%にも達していたということです。
これは、レバレッジを掛けながら複利運用を続ける限りにおいて、避けて通ることができません。

社会もしくは経済の一部分が全体を引っ張っていく場合、それだけが突出してしまうと、いずれはその一部分が全体に及ぼす影響は膨大なものになっていきます。
これは、あるシステムのリスク率が、当初は3%でしかなかったのに、15年後には60%にも達してしまったことと類似しています。

このシステムの例では、残りの97%は何も生み出さない状態でした。その結果、このような高リスク率状態に陥りやすくなったわけですが、もしも残りの97%でも何らかの運用によって資産が増大していれば、リスク率の急激な悪化は防げたであろうと考えられます。

システム的には、システムの並列運用、いわゆるポートフォリオを組むことによって、それを実現することができます。
あるいは、昨日も述べましたように、適宜リバランスを行うことで、リスク率を初期状態に戻すことができます。

では、これを実際の社会に当てはめると、どういうことになるでしょうか?

まずは、一部の産業のみが突出した状態に陥らせない、ということです。より多くの産業を、平均的に活性化していくことが、全体のリスク率の悪化を防ぐ意味で重要です。
続いて、定期的にリバランスを行うことです。これは、特定産業のみに資産が集中することを防ぎ、社会全体に再分配を行なうことです。

そうすることで、リスク率の増大を防ぎ、不可避なドローダウンに対して社会全体のダメージを最小限にとどめることができます。
はたして、現在の日本社会の構造は、どのようになっていることでしょう?

最後に、これを世界全体に当てはめて考えてみると、どうなるでしょうか?

世界は、経済ベースで見ると、ごく一部の先進国と、大多数の発展途上国から成り立っています。これが、どのような事態をもたらすかは、これまでの議論で明らかです。
では、私たちはいったいどうしたらいいのでしょう。その答えも、実は既に明らかになっているのです。

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Kフロー

一歩前進さん、こんにちは。
いつもありがとうございます。

by Kフロー (2010-03-19 19:20) 

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