実効損益率とオプティマルfの関係 [投資・経済全般]
3月9日のコラムで、実効損益率が最大になるレバレッジは、オプティマルfに相当する値になるのではないかと述べました。
今日は、そのことについて考えてみたいと思います。
オプティマルfとレバレッジとの関係については、2009年5月11日のコラムで考察しています。その中で、トレード毎の損益率をp[n](nはn番目のトレードを表す)とし、オプティマルfをfとした時、
S(f)=(1+fp[1])*(1+fp[2])*・・・・・・*(1+fp[n-1])*(1+fp[n])
が最大となるfを、オプティマルfと呼ぶ(同義である)ことにいたしました。
さて、3月9日のコラムの結論の前提となった数式は、
Pn=r(1+pL)^n-r
ですが、これは簡単のため平均損益率で表されています。これを、トレード毎の損益率p[n]、実効損益率をP[n]で表すと、以下のようになります。
P[n]=r*(1+Lp[1])*(1+Lp[2])*・・・・・・*(1+Lp[n-1])*(1+Lp[n])-r
=r*((1+Lp[1])*(1+Lp[2])*・・・・・・*(1+Lp[n-1])*(1+Lp[n])-1)
もうお分かりでしょうが、オプティマルfに関する式S(f)のfをレバレッジLに置き換えて、実効損益率に関する式P[n]に代入すると、両者の関係が求まります。
P[n]=r*(S[L]-1)
これはもう、数式を微分するまでもありません。S[L]が1よりも大きいならば、S[L]が最大の時にP[n]も最大になります。
機能するシステムであれば、S[L]>1ですから、実効損益率が最大になるレバレッジは、オプティマルfに相当するレバレッジに等しいことが分かります。
実際に、3月9日のコラムで示した条件で、レバレッジを3倍、4倍、5倍にしてみると、実効損益率は以下のようになります。
レバレッジ3.0倍(リスク率1%)⇒43.0%
レバレッジ4.0倍(リスク率0.75%)⇒32.2%
レバレッジ5.0倍(リスク率0.6%)⇒17.5%
このシステムのドテン運用時の最適レバレッジは3.36倍であり、上述の結論を裏付けています。
資産が無尽蔵にあるならば、例えばこのシステム(けして効率のいいシステムではありませんが)を用いて、全資産の1%の資金をレバレッジ3倍で複利運用することにより、初期資産の99%を保全したまま、最大の運用効率を得ることができます。
このようなシステムを10本並列運用すれば、10%のリスク率でより大きな収益を目指すことができます。実際にはありえませんが、例えば各実効損益率が15年で43%だとすると、トータルでは430%、すなわち5.3倍になるわけです。
これを年率換算すると、約12%ということになります。
すなわち、リスク率10%の投資で年率12%のリターンが得られる可能性があるわけですから、かなり凄いことが分かります。
もちろん、これには落し穴があります。
複利運用の場合は、運用資金以上の損失は起こらない、すなわち最大ドローダウンは100%を超えない、という前提で話していますが、例えばストップ安が続いて買い玉が返済できないような場合は、ドローダウンが一気に100%を越えることもあります。
また、運用資金が増えるに従って、レバレッジ分の資金が初期資産を上回ってくる可能性があり、その時に上述のようなドローダウンを食らうと、資金が一気にショートする可能性があります。
以上の話は、あくまで理想的な運用の場合であり、ストップ安が続くなどイレギュラーな状況は想定していませんので、注意が必要です。
それ以外にも、注意すべき点はいくつかありますが、それは皆さん自身でお考えください。上記の甘言を真に受けず、あくまで自己責任でご検討くださいますよう、お願い申し上げます。
今日は、そのことについて考えてみたいと思います。
オプティマルfとレバレッジとの関係については、2009年5月11日のコラムで考察しています。その中で、トレード毎の損益率をp[n](nはn番目のトレードを表す)とし、オプティマルfをfとした時、
S(f)=(1+fp[1])*(1+fp[2])*・・・・・・*(1+fp[n-1])*(1+fp[n])
が最大となるfを、オプティマルfと呼ぶ(同義である)ことにいたしました。
さて、3月9日のコラムの結論の前提となった数式は、
Pn=r(1+pL)^n-r
ですが、これは簡単のため平均損益率で表されています。これを、トレード毎の損益率p[n]、実効損益率をP[n]で表すと、以下のようになります。
P[n]=r*(1+Lp[1])*(1+Lp[2])*・・・・・・*(1+Lp[n-1])*(1+Lp[n])-r
=r*((1+Lp[1])*(1+Lp[2])*・・・・・・*(1+Lp[n-1])*(1+Lp[n])-1)
もうお分かりでしょうが、オプティマルfに関する式S(f)のfをレバレッジLに置き換えて、実効損益率に関する式P[n]に代入すると、両者の関係が求まります。
P[n]=r*(S[L]-1)
これはもう、数式を微分するまでもありません。S[L]が1よりも大きいならば、S[L]が最大の時にP[n]も最大になります。
機能するシステムであれば、S[L]>1ですから、実効損益率が最大になるレバレッジは、オプティマルfに相当するレバレッジに等しいことが分かります。
実際に、3月9日のコラムで示した条件で、レバレッジを3倍、4倍、5倍にしてみると、実効損益率は以下のようになります。
レバレッジ3.0倍(リスク率1%)⇒43.0%
レバレッジ4.0倍(リスク率0.75%)⇒32.2%
レバレッジ5.0倍(リスク率0.6%)⇒17.5%
このシステムのドテン運用時の最適レバレッジは3.36倍であり、上述の結論を裏付けています。
資産が無尽蔵にあるならば、例えばこのシステム(けして効率のいいシステムではありませんが)を用いて、全資産の1%の資金をレバレッジ3倍で複利運用することにより、初期資産の99%を保全したまま、最大の運用効率を得ることができます。
このようなシステムを10本並列運用すれば、10%のリスク率でより大きな収益を目指すことができます。実際にはありえませんが、例えば各実効損益率が15年で43%だとすると、トータルでは430%、すなわち5.3倍になるわけです。
これを年率換算すると、約12%ということになります。
すなわち、リスク率10%の投資で年率12%のリターンが得られる可能性があるわけですから、かなり凄いことが分かります。
もちろん、これには落し穴があります。
複利運用の場合は、運用資金以上の損失は起こらない、すなわち最大ドローダウンは100%を超えない、という前提で話していますが、例えばストップ安が続いて買い玉が返済できないような場合は、ドローダウンが一気に100%を越えることもあります。
また、運用資金が増えるに従って、レバレッジ分の資金が初期資産を上回ってくる可能性があり、その時に上述のようなドローダウンを食らうと、資金が一気にショートする可能性があります。
以上の話は、あくまで理想的な運用の場合であり、ストップ安が続くなどイレギュラーな状況は想定していませんので、注意が必要です。
それ以外にも、注意すべき点はいくつかありますが、それは皆さん自身でお考えください。上記の甘言を真に受けず、あくまで自己責任でご検討くださいますよう、お願い申し上げます。
一歩前進さん、こんにちは。
いつもありがとうございます。
by Kフロー (2010-03-18 08:41)