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渋滞の科学 [投資・経済全般]

渋滞の科学と言うものがある。

それは、西成活裕東大教授が提唱している。

自然発生的に起こる渋滞は、車の流れのちょっとした変化が引き起こす。

例えば、前の車がちょっとブレーキを踏んだだけで、それが次々に後続車に伝播し、最後は動かなくなってしまう。

経済も同じこと。

特に、サブプライムローン問題は、全く同様の構図と言える。

当初は大したことがないと思われていた規模の額の焦げ付きが、なぜこれほどまでに世界的な経済危機をもたらしたのか?

そこには渋滞の科学と同じ構図が見える。

すなわち、サブプライムローンの焦げ付きと言うちょっとしたブレーキが、次々に他の関連機関に伝播し、最後は資金の流れが完全にストップして破綻してしまうわけだ。

もしも、キャッシュフローがスムーズであったなら、これほどまでの危機は訪れなかっただろう。

そこに、今後の世界経済の目指す方向がある。

車の渋滞を防止する手段が、そのまま経済にも適用できる。

例えば、十分な車間距離を空ける。

これは、サブプライムローンの停滞が次の機関に影響を及ぼす期間を長くすることだ。

その間に素早い手立てを行なえれば、危機は回避できる。

しかし、実際には危機は急激に広まった。

その背景には、証券化商品の存在がある。

これは、車間距離を詰めて高速で前の車に追従するようなものだ。

前の車の流れがスムーズであれば、非常に効率的に進めることができる。

しかし、前の車が急にブレーキを踏んだら、結果はどうなるか明らかだ。

もしも、車間距離が十分にあれば、車を停止させることなく対処できるだろう。

経済活動にも全く同じことが言える。

ただし、それは前時代の経済だ。

再び前時代の経済に戻るのか、それとも新たな飛躍を目指すのか。

新たな飛躍のヒントも、車の渋滞防止に見ることが出来る。

極端に言えば、全ての車を剛性の高い棒で連結すればいい。

すなわち、これは列車の科学だ。

もちろん、問題はある。

何よりも、それでは小回りが効かないため、現代のダイナミックな経済活動にはなじまない。

車間距離を広げる方法が前時代的ならば、これは前々時代的だ。

ならばどうするのか?

一例は、完全電子制御の車間距離維持システムだ。

すでに多くの自動車メーカーで盛んに研究されているこの技術を応用すれば、経済活動にも有益な結果をもたらすことが出来ると考える。

そのためには、キャッシュフローの効率的な管理監督が必要になる。

これは言わば統制経済であり、技術的な問題もさることながら、倫理的な問題が大きい。

これに賛同する機関は少ない。

あくまで理想論に過ぎない。

しかし、経済が危機に瀕している今こそ、このような機運を盛り上げるべきだ。

残念ながら、今回の危機の張本人たちは、このような機運を潰しに掛かっている。

それを打破するには、強い政治的な主導力が必要だ。

だが、政治家たちは自国もしくは懇意の企業家たちの方を見がちだ。

そうであれば、そんな機運を口にすることすらはばかられる。

結局、経済は元の状態に戻ってしまうのか?

ただ、渋滞を防止する方法は、車間距離を維持するだけではない。

他にも有効な手立てがあるはずだ。

それらを総合的に研究することが求められる。

そうすれば、きっと打開策が見つかるはずだ。


※今回は、思考の流れ(フロー)が見えるように(文章が渋滞しないように)、1文ずつ分けて書いてみました。私の思考なので、「ですます」調ではありませんが、ご容赦ください。
また、通常のコラムならば、これらをつなぐ文章が入ったりして体裁を整えるわけですが、今回は要点のみを記しています(単なる手抜きとも言います)。

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