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正逆合成システム(トヨタ自動車ブレイクアウト) [システムトレード]

今回は、トヨタブレイクアウトシステムの正逆合成システムについて考えたいと思います。なお、最適化条件等については、順張りシステムや移動平均システムの場合と同様です。

ブレイクアウトの逆システムは、従来にない新しいロジックとなります。元となるブレイクアウトシステムは、株価が直近高値を上抜けたら買い、直近安値を下抜けたら売りとなりますが、その逆システムは、株価が直近高値を上抜けたら売り、直近安値を下抜けたら買いとなります。

株価が直近高値を上抜けたら売り、直近安値を下抜けたら買うわけですから、これは逆張りシステムということになります。
はたして、こんなロジックで機能するのかと言いますと、移動平均の場合同様に機能します。

下図に、元となるブレイクアウトシステム、その逆システム、そして正逆合成システムのドテン運用時における各資産カーブを示します。
なお、銘柄は冒頭にも記しましたようにトヨタ自動車です。
7203ブレイクアウト正01.png
7203ブレイクアウト逆01.png
7203ブレイクアウト正逆合成01.png
2番目に示したブレイクアウトの逆システムの資産カーブを見ると、途中平坦な箇所はあるものの、システムは一応機能しているらしいことが分かります。
ちなみに、設定パラメータは買い基準が6日、売り基準が5日と表示されていますが、買いと売りとを反転しているため、実際には買い基準が5日、売り基準が6日となります。

元システムの買い基準は133日、売り基準は65日ですから、買い基準、売り基準共に大幅に短縮されていることが分かります。
元システムは株式保有期間が長いため、資産変動が大きくなっています。一方、逆システムは直線性は今一つですが、資産変動は元システムに比べて小さくなっているように見えます。

それらを合成した正逆合成システムの資産カーブは、良好な直線性を保ちつつも、元システムよりは資産変動が小さくなっているように見えますが、はたしていかがでしょう。
それらをドテン運用時の具体的な性能指標で比較してみます。各項目の値は、正(元)システム、逆システム、正逆合成システムの順に記しています。

まずはプロフィットファクターですが、4.14、1.81、2.42となっています。続いて勝率は、57.14%、68.06%、69.59%、損益レシオは、3.10、0.85、1.06です。
正逆合成システムでは、プロフィットファクターと損益レシオは中間的な値となっていますが、勝率は一番大きくなっています。

そもそも、正システムの値が突出して良いように見えますが、これは約16年間で僅か14回のトレードしか行なっていないためであり、統計的な信頼性に欠けます。
一方、合成システムのトレード回数は148回であり、ほぼ十分な回数となっています。ちなみに、逆システムでは288回となっています。

次に時価累積最大ドローダウンは、それぞれ38.71%、49.50%、42.18%となっています。順張りや移動平均の場合とは異なり、合成システムにおけるドローダウンの低減効果は大きくありません。
資産カーブでは正システムのドローダウンが大きいように見えますが、これは売買回数が少ないが故に複利効果が小さいためであり、見た目ほどにはドローダウンは大きくありません。

資金効率については、正システム、逆システムが、それぞれ59.24%、28.21%であるのに対し、正逆合成システムでは41.52%となります。
これも、合成システムが必ずしも最大ではありませんが、正システムの売買回数が少ないことと深く関係しています。

最後に、2008年1月4日以降の(仮想)運用後資産増減率は、それぞれ-0.77%、-7.78%、-6.33%となっていますが、直近の時価累積ドローダウンを比較すると、32.76%、31.83%、41.49%となっており、正逆合成システムが最も大きいことが分かります。

これも最大ドローダウン同様、順張りや移動平均の場合とは大きく異なる傾向です。その原因もまた、正システムの売買回数の少なさにあると考えます。
正システムの売買回数の少なさ故に、直近において逆システムの損益と相殺する局面が少なく、結果的にドローダウンが大きくなってしまったと考えられます。

今回の事例は非常に特徴的なのですが、正逆合成システムは正システムが機能している間だけ逆システムを運用するという、フィルタ的な要素を持っていることが分かります。
正システムの基準日数が逆システムのそれに比べて極めて長いという、ブレイクアウトシステムの特徴が、そのような作用を際立たせているわけです。

以上、簡単ですが、トヨタブレイクアウトシステムにおける正逆合成システムについてご報告いたしました。今後、引き続き他のシステムの正逆合成システムについてもご紹介したいと思います。

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Kフロー

ダーツマニアさん、こんにちは。
nice!をいただき、ありがとうございます。

by Kフロー (2009-10-23 17:21) 

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