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資金効率の定義(2) [投資・経済全般]

株式投資において、資金がどれくらい効率的に運用されているかを測る指標には、様々なものがあります。
最も簡単な指標は「総損益」です。これは、総利益から総損失を差し引いた値で、一連のトレードを通じて実際にどれだけの損益が積み上がったかを示します。

しかし、例えばプラス100万円の総損益を得るために、200万円の総利益と100万円の総損失があったのと、1,000万円の総利益と900万円の総損失があったのとでは、資金の運用効率は明らかに異なります。

仮に平均利益率、平均損失率が共に10%であったとすると、200万円の利益を得るためには2,000万円の資金が、100万円の損失を被るためには1,000万円の資金が必要となります。
すなわち、差し引き100万円の収益を得るためには、3,000万円の資金が必要となるわけです。

一方、後者の例では、1,000万円の利益を得るためには1億円の資金が、900万円の損失を被るためには9,000万円の資金が必要となり、差し引き100万円の収益を得るために1億9千万円もの資金が必要となってしまいます。

どちらが資金効率が高いかは明らかですが、総損益だけでは資金効率を判断することは出来ないことが分かります。
そこで、資金効率を総損益で判断するのではなく、総利益を総損失で割った値、すなわちプロフィットファクター(PF)で判断することを考えます。

例えば、200万円の総利益と100万円の総損失があるトレードのPFは2.0です。一方、1,000万円の総利益と900万円の総損失があるトレードのPFは1.1です。
これらは明らかに異なりますし、資金効率が高い方がPFも大きいように見えます。

しかし、例えば総利益が400万円、総損失が200万円のトレードを考えますと、PFは2.0ですが、平均利益率や平均損失率が、総利益200万円、総損失100万円のトレードと等しいとした場合、必要となる資金量は2倍となってしまいます。
しかしよく考えてみると、総損益もまた2倍になるわけですから、帳尻は合うようにも思えます。

プラス100万円の総損益を得るために、200万円の総利益と100万円の総損失があり、プラス200万円の総損益を得るために、400万円の総利益と200万円の総損失があるわけです。
これをちょっと模式的に表してみます。求める結果を、とりあえずXとでもしておきます。

 X=100万円/(200万円+100万円)
   =200万円/(400万円+200万円)

これは、平均利益率および平均損失率を100%に規格化した場合に、どれだけの資金を運用すればどれだけの収益が得られるかを示しています。
このXを用いれば、総損益やPFだけでは判断できなかった「資金効率」を表すことができそうです。

すなわち、「資金効率」は次式で定義されることになります。

 資金効率=総損益/(総利益+総損失)
      =(総利益-総損失)/(総利益+総損失)

この値は、±100%を上限とし、それを越えることはありませんから、効率の定義としては理に適っています。やや強引な結論ですが、こんなところでご勘弁ください。
後日、新たな知見等が得られましたら、あらためて考察したいと思います。

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