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筋の良いシステム [システムトレード]

トレーディングシステムを開発するに当って、そのシステムに如何に汎用性を持たせるかは、システム作成のみならず、その後のシステム改定に於いても極めて重要な事項となります。
汎用性の高いシステムに求められる最大の要件は、高い対称性を有するということです。それは、ポジションの対称性であり、売買の対称性でもあります。

例えば、買いのみのシステム、売りのみのシステム、ドテンシステム、更にはキャッシュポジションを有するシステムなどを考えた時に、それらを別個のシステムとして作成したのでは、その後の運用管理が大変になります。

また、買いのみのシステムや売りのみのシステムから、ドテンシステムに移行するためには、大きな飛躍が必要となります。
すなわち、両者を合成したものがドテンシステムと考えられるわけですが、その際には買いと売りとが寸分の隙間なく交互に発生しなければなりません。

逆に、ドテンシステムは買いシステムと売りシステムとを包含した、より高次元のシステムということになります。
すなわち、ドテンシステムにおける売りポジションをキャッシュポジションと捉えれば買いシステムに、買いポジションをキャッシュポジションと捉えれば売りシステムになるわけです。

更には、キャッシュポジションを含んだドテンシステムにまでシステムを拡張することによって、より高い対称性を実現することができます。
基本的には、これら3つのポジションがあれば、全ての売買パターンを表現することができます。

ただ、対称性という観点から見た場合は、これが限界となります。この限界を打ち破るための更なる要件が、システムの重畳性ということになります。
これは、分かりやすく言えばシステムのポジション管理であり、例えばうねり取りのように建玉数がダイナミックに変動する場合でも、表現可能なシステムを実現することです。

実際の建玉数は整数ですが、理論的にはそれは整数である必要はありません。すなわち、それらは小数、さらには任意の実数であっても良いわけです。
それは、レバレッジを任意に変動させたシステムと等価でもあります。そのような運用は、実際に考えることが可能です。

そこまで包含したシステムであれば、理論的にはあらゆる運用パターンを表現することができるようになります。
また、それは全ての運用方法を包含しているわけですから、例えば売りのみのシステムや、買いのみのうねり取りシステムなども、条件設定することができます。

もちろん、日足システムからデイトレードシステム等への展開はできませんが、それはあくまでデータ取得等の時間軸に関わる問題です。
その部分を変更することで、日足システム以外への展開も可能だと考えます。

しかし、そうは言いましても、最初から上に挙げた全ての要件を満たしたシステムを作成することは、極めて困難です。
したがって、通常はより下位のシステムからステップアップしていくことになります。

その際、元のシステムが「筋の良いシステム」でないと、なかなか思うようにはシステムを拡張することができません。
トレーディングシステムに最も多く用いられる計算式は、条件分岐だと考えますが、この部分の設計がしっかりしていないと、まず上手くいかないでしょう。

逆に言えば、条件分岐がしっかりしているシステムであれば、その後のシステムの拡張も比較的容易になります。
また、対称性の高いシステムであればあるほど、拡張は容易になります。

対称性が高いシステムであれば、多くの場合、買いと売りとの条件式を改定するだけで、システムを拡張することが可能です。
例えば、条件式内の"="を"<"や">"に変更するだけで、重畳性のある可変ポジションシステムに移行できたりします。

幸いなことに、KFシステムクリエイターは比較的「筋の良いシステム」であったために、部分的な改定作業のみで、可変ポジションシステムへの移行が可能でした。
現在は、更なる対称性を求めて、買い主体システム(順張りシステム等)と、売り主体システム(逆張り2システム)との統合を目指しています。

これが実現できれば、現在15個のシステムで構成されているKFシステムクリエイターを、将来的には一つに集約することが可能であると考えています。
また、追加ロジック等も、新たなマクロの追加のみで対処できるようになる見込みです。

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