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キャッシュポジションを持つシステム [システムトレード]

通常、トレーディングシステムはその運用方法によって、買いシステム、売りシステム、ドテンシステムの3つに分類されます。

買いシステムは、買いトレードのみを行うシステムで、買いポジション以外はキャッシュポジションとなります。売りシステムは、売りトレードのみを行うシステムで、売りポジション以外はキャッシュポジションとなります。

また、ドテンシステムは、買いトレードと売りトレードを交互に繰り返すシステムで、常に買いポジションか売りポジションを持ちます。
すなわち、ドテンシステムにおいてキャッシュポジションを持つことは、通常はないわけです。

では、買いと売り、そしてキャッシュの各ポジションを持つシステムを構築することは、期待収益を高めるという観点からすると意味がないのでしょうか。
言い方を変えれば、そのようなシステムの性能は、ドテンシステムの性能を上回ることができるのでしょうか?

キャッシュポジションは、全く資金が変化しない状態ですから、十分によく機能したドテンシステムと比べると、機会損失が生じる分だけ性能が低いようにも思えます。
すなわち、キャッシュポジションでいる間にも株価は変化するため、買いか売りでその変化を適切に捉えることができれば、収益の積み上げが期待できるわけです。

結論から申し上げますと、ドテンシステムよりも期待収益が大きい、キャッシュポジションを持つシステムは存在します。
それは、買いの最適パラメータと、売りの最適パラメータとが異なるシステムで生じます。

よく機能したドテンシステムの場合、通常は、買いと売りの最適パラメータは一致します。すなわち、ドテン運用で最適化した時の最適パラメータと、買い運用および売り運用で最適化した時の最適パラメータとが、完全に一致することになります。

その場合、システム上は買いの手仕舞いと共に売りの仕掛けとなり、売りの手仕舞いと共に買いの仕掛けとなるわけです。
そのため、そこにはキャッシュポジションが入り込む余地はありません。

しかし、買いと売りの最適パラメータが異なるシステムの場合はどうでしょう?その場合は、それぞれの仕掛けと手仕舞いとが必ずしも一致しませんから、共にキャッシュポジションとなるか、共に保有ポジションを持っている状態が存在します。

通常のドテンシステムは、同一パラメータの買いシステムと売りシステムの合成であることを考えると、それらよりも期待収益が大きい買いシステムまたは売りシステムが存在すれば、その合成システムの期待収益は、前記ドテンシステムよりも大きくなるわけです。

そして、その合成システムにおいて、キャッシュポジションや売り買い同時保有ポジションが存在するわけですから、通常のドテンシステムより期待収益が大きいキャッシュポジション付きドテンシステムが存在することが分かります。

ちなみに、売り買い同時保有ポジションはキャッシュポジションと等価ですから、そのような状態になるシグナル(買い保有時に売りまたは売り保有時に買い)が出た時は、それまでのポジションを手仕舞う、すなわちキャッシュポジションに戻すことになります。

以上においては、同一システムにおける買いと売りとのパラメータの違いを前提としましたが、銘柄が同じであれば、買いと売りとが同一システムである必要はありません。
例えば、買いの逆張りシステムと売りの順張りシステムとを合成しても良いわけです。

また、買いのロスカット付きシステムと売りのロスカット付きシステムとを合成すれば、期待収益が大きくリスクの小さいシステム運用が可能となるかもしれません。
買いシステムと売りシステムとを分けて設計し、それらを合成することで、システムの可能性は大きく広がることでしょう。

なお、KFシステムクリエイターにこれらのシステム合成機能を付加すべく、検討を開始しました。まだ具体的なスケジュールは未定ですが、できるだけ急ぎたいと思います。
ちなみに、買いと売りの合成システムは、KFシステムシンセサイザとは異なるシステムとなります。

また、現状システムにおいて、買いシステムと売りシステムとを並列運用すれば、それは合成システムに近い資産推移となりますが、厳密には買いと売りの資金管理が独立しているため、複利運用を行う場合は次第に両者のずれが大きくなってくるものと考えられます。


PS1.VAIOにてIE7をIE8にアップデートしたのですが、あまりにも不具合が多くて、結局IE8をアンインストールしてIE7に戻しました。
最大の問題は、新しいタブを開くと、かなりの確率で固まってしまうことでした。Gatewayマシンではそんなにひどくなかったので、VAIO特有の問題(CPUかメモリかOSか)なのかもしれません。

なお、IE7に戻したところ、それまでIE7で頻繁に起こっていた起動時に固まるという現象が起き難くなりました。
IE7に不具合がある人は、一旦IE8をインストールした後、それをアンインストールしてIE7に戻すと良いかもしれません。

PS2.研究所サイトにて、システム事例を随時更新しています。様々な銘柄において、2007年12月28日までの期間で最適化を行ったシステムの資産カーブ(2009年4月27日まで表示)と、2008年1月4日から2009年4月27日までの仮想運用時資産推移(複利運用)を掲載しておりますので、興味のある方はぜひご覧ください。

研究所サイトには、当ブログの左上にあるリンク(Kフロー株式トレード研究所)から行くことができます。

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