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オプティマルfとレバレッジ付加複利運用 [システムトレード]

ラルフ・ビンス氏が提唱するオプティマルfは、簡単に言えば、トレードの最大効率を追求するためのファクターです。
オプティマルfはただ一つの最適値を持ち、この値より大きくても小さくても、投資効率は落ちてしまいます。

これを数学的に厳密に理解しようとすると、かなり厄介なことになります。私も十分に理解しているわけではありません。
オプティマルfの詳細については、大変優れた解説を行っているサイトがいくつもありますので、興味のある方はそちらをご参照ください。

グーグルで"オプティマルf"で検索し、一番最初に表示されるサイトがお勧めです。そこでは、「ケリー基準」となっていますが、サイトの管理人の方によれば、「ケリー基準」=「オプティマルf」とのことです。

ここでは、簡単に結論のみをご紹介いたします。

トレード毎の損益率をp[n](nはn番目のトレードを表す)とし、オプティマルfをfとした時、

 S(f)=(1+fp[1])*(1+fp[2])*・・・・・・*(1+fp[n-1])*(1+fp[n])   (1)

が最大となるfを、オプティマルfといいます。なお、各トレードの損益率にはバラツキがありますので、厳密には統計的な処理を追加する必要がありますが、ここでは簡単のため、S(f)が最大となるfの値をオプティマルfと呼ぶことにします。

さて、(1)式を見ますと、これはf倍のレバレッジを掛けたトレードを複利運用した場合の最終損益を表していることが分かります。
すなわち、複利運用した時の累積損益が最大となるレバレッジが、オプティマルfということになります。

ちなみに、KFシステムクリエイターにおける最適レバレッジが、まさにオプティマルfに等しい、ということになります。
ユーザーの方はご存知かと思いますが、最適レバレッジはボタン一つで求めることができます。難解なオプティマルfですが、意外なところで簡単に求めることができていたわけです。

ただ、実際の運用に当たっては、レバレッジをオプティマルfで運用すると、非常に大きなドローダウンを被ってしまいます。
そこで、通常は、オプティマルfを超えない範囲で、運用レバレッジを決定することになります。

それは、オプティマルfの半分程度が良い、などと言われることもありますが、システムによってはそれでも大きなドローダウンが生じる可能性があります。
幸いなことに、KFシステムクリエイターにおいては、レバレッジを変えた場合の全ての性能指標が確認できますから、それらを参考にして運用レバレッジを決定すれば良いでしょう。

また、個別株の場合は最大レバレッジが3倍程度ですから、いくらオプティマルfが大きくても3倍を超えるレバレッジを掛けることはできません。
ただ、オプティマルf(最適レバレッジ)が大きいということは、それだけ安定したシステムであることを意味します。

先物の場合も考え方は同じです。今、先物価格が1,000円、最低保証金が100万円とすると、ラージの場合100万円当たり1,000万円の売買が出来るわけですから、最大レバレッジは10倍です。
しかし、オプティマルf(最適レバレッジ)が5しかなかったとすると、最大でも保証金200万円に対して1枚のトレードということになります。

なお、ラルフ・ビンス氏の著書では、オプティマルfは0から1の値を取るとしていますが、上記の例で考えると、最適レバレッジ/最大レバレッジがビンス氏の言うオプティマルfになります。すなわち、5/10=0.5ということです。

以上、オプティマルfというと難しそうに聞こえますが、レバレッジを掛けた複利運用と言えば、イメージしやすいのではないかと思います。

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