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並列運用における複利運用のメリット [システムトレード]

複利運用と言いますと、多くの方は非常にリスキーな感じを持つことと思います。しかし、それは単一銘柄あるいは単一システムに全力投資した場合に限られます。
分散投資あるいはシステムの並列運用においては、その限りではありません。

以前、うねり取りシステムのところで述べたことと同様のことが、同一でない銘柄の分散投資や並列運用に関しても言えるというわけです。
以下では簡単のために、システムトレードの場合で考えますが、単純に株式を買い保有する場合でも、全く同じことが言えます。

最初に資金を分割して複数のシステムに割り振り、それらを個々に複利運用した場合を考えます。すると、「調子の良いシステム」の運用資金は増えて行き、「調子の悪いシステム」の運用資金は減って行きます。そして、やがて「調子の悪いシステム」はストップ基準に達し、運用を停止することになります。

これがもし、単株運用もしくは単利運用の場合だったらどうでしょう。システムがストップ基準に達するまでの損失額は、一般的に、複利運用の場合より大きくなります。
なお、ストップ基準は実際の金額で決まるのではなく、システム上の資産カーブの状態で決まるものとします。そのため、運用形態に関係なく、ストップとなる日は同一となります。

その一方で、「調子の良いシステム」の場合は、複利運用の方が利益額が大きくなるでしょう。ただし、運用資産が増えていくと、その後に必ず訪れる損失時の金額も大きなものとなってしまいます。

ただ、「調子の良いシステム」というのは、それなりに期待値の高いシステムであると言えます。すなわち、「調子の悪いシステム」と比較すれば、システムが機能停止する可能性は相対的に小さく、ドローダウンからの回復も早いことが期待できます。

複利運用のメリットは、利益と損失の非対称性にあります。例えば、1回のトレードで10%の利益が出る場合と、10%の損失となる場合を考えます。
そして、「調子の良いシステム」では5回連続で勝ち、「調子の悪いシステム」では5回連続で負けるものとします。

すると、5回のトレード後に、「調子の良いシステム」では1.1の5乗、すなわち資産は1.61倍に増えるのに対し、「調子の悪いシステム」では0.9の5乗、すなわち資産は0.59倍に減少することになります。

言い換えれば、「調子の良いシステム」の資産が61%増加しているのに対し、「調子の悪いシステム」の資産は41%しか減少していないことになります。
通常は、それよりも小さい損失でシステムのストップ基準に引っ掛かるでしょうから、その非対称性は更に大きなものとなります。

もちろん、単一のシステムに資金を全額投入して運用した場合、それが「調子の良いシステム」なのか「調子の悪いシステム」なのかは、その時点では分かりません。
したがって、運用を開始した途端にストップ基準に達してしまう可能性もあります。

しかし、それらを並列運用したらどうでしょう。「調子の悪いシステム」が運用できる資金枠は次第に小さくなっていき、「調子の良いシステム」の資金枠は増えていきます。
最終的には、「より調子の良いシステム」のウエイトが増していくという好循環が生まれます。

もちろん、運用する複数のシステムが全て「調子の悪いシステム」であったなら、この話は成り立ちません。
しかし、ある程度の数のシステムを並列運用すれば、それらの全てが「調子の悪いシステム」であるという可能性もまた、極めて低いものだと考えます。

少なくとも、設計段階においてそれなりに期待値の高いシステムであるならば、運用開始1年後程度の資産残高が増加しているケースは相当数あります。
もちろん、1年後に資産が減少するケースもありますが、並列運用する全てのシステムがそうなることは稀なことだと思います。

この方法、すなわち、複数のシステムを並列運用して、それらの運用資金を別個で管理し複利運用することは、結構大変です。
一旦、計算がおかしくなってくると、それを修正することは極めて困難になります。

トレーディングシステムに、そのような機能が備わっていれば、日々のシグナルと建て玉数をチェックするだけで済みます。
KFシステムクリエイターでは、もちろんそのような機能を備えています。

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