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誰のためのブログでしょうか? [雑感]

エンジュクで掲載中のシステムトレーダー、土屋賢三氏のブログが、11月末を持って休載することになりました。土屋氏のブログは私も毎日楽しみにしていただけに、休載は残念でなりません。
休載の直接的な原因は、記事の内容と土屋氏に対して読者が求めるものとの乖離と、エンジュクという商業サイトへ及ぼす影響を考慮してということのようですが、真相は分かりません。

最近は、一部の読者からの執拗なクレームがあったことも事実ですが、そのことが大きな原因だったということではないように思います。
それは、土屋氏がブログを書くことの意味合いに根差していることなのではないでしょうか。

多くのブログは普通、執筆者本人の事情で開設され、本人のために記事が執筆されるものだと思います。すなわち、自分の人生に対して何らかのメリットをもたらすために、ブログを開設している事例が大半でしょう。

具体的には、「世間に自分をアピールして注目されたい」、「それをきっかけに経済的に潤えたらいいかも」、「単に日記代わりとして」、「趣味や研究の発表あるいは自己主張の場として」、「知人に近況を知らせたい」、「企業等特定団体の宣伝として」、「世間で流行っているから何となく」、等、いろいろな理由が考えられます。

私のような俗人の場合は、元々は自分のアピールや研究発表、自己主張の場として開設し、あわよくばそれをきっかけに有名になったり、経済的に自立できればいいな、というような動機でした。
また、最近ではKフロー株式トレード研究所およびその製品の宣伝、という側面も併せ持っています。

もちろん、読者の方々に株式トレード等に関する情報を提供することで、それを役立てていただければという気持ちは常に持っていますが、それは単なる自己満足に過ぎないかもしれません。
基本的には、やり方の巧拙は別として、全て自分のための行動であるように思います。

一方、土屋氏の場合はどうでしょう?土屋氏の場合は、自分のためというよりは読者のためという側面が強いように感じます。
元々は、いちのみやあいこ氏の勧めでブログを始めたということですし、ブログを通して有名になったりしたいという必要性も感じられません。

そうだとすると、土屋氏はいったい何のためにブログを続けてきたのでしょうか?多少はエンジュクのためとか、自分の主張を申し述べるためとかといった理由はあるのでしょうが、やはり半分以上は、読者の役に立ちたいという気持ちからなのではないかと想像します。

いくら筆の立つ方でも、ほぼ毎日に渡ってかなりの長文で専門的な内容を書き続けるためには、大変な労力を要します。
それが自分のためであれば、継続し続けることも可能なのでしょうが、そうでない場合にモチベーションを維持することは、かなり大変であろうことは想像に難くありません。

私の場合もそうなのですが、コメント等を通じて読者の方々に教えていただくことが多々あります。何気ない質問や意見が核心を突いていたり、それによって自分の考えを改めたり、より深く追求したり、新たなヒントを見出したりと、実に重要な役割を担っています。

土屋氏の場合は、周囲に有能なトレーダーの方々がいらっしゃるので、私ほどにはコメントから受け取る影響は大きくはないのかもしれませんが、それでもブログを通じて有益な議論ができたら、という思いは強くあることでしょう。

土屋氏がブログ休載の理由に掲げた、読者との乖離という現象は、単なるクレーマーの存在ではなく、盲目的に土屋氏のコラムを賞賛する読者の増加、ということを意味しているのではないかと思えてなりません。

建設的なコメントであれば、それが賛同・批判のいずれであっても、それについて考えることによって、本人と読者の双方にとって極めて有益な結果をもたらします。
しかし、単に賞賛の美辞麗句を並べられただけでは、モチベーションの上昇につながることはあっても、前進にはつながりません(私は俗人ですので美辞麗句も大歓迎です(^^ゞ )。

前述した通り、土屋氏は元々、自分のためにブログを開設したわけではないようですので、ブログを継続するためのモチベーションを持ち続ける理由はありません。
唯一、ブログを通じて本人と読者が成長し続けることこそが、ブログを継続することへの動機付けだったように思います。

その前提が最近薄らいできたと感じ始めたからこそ、ブログの休載に思い至ったのではないかと想像します。
まあ、理由はともかくとして、システムトレード関連の骨太なブログが姿を消していくのは寂しい限りです。

なお、ここでは土屋氏のブログの休載について述べているだけであり、私が土屋氏の考え方や投資手法に対して、100%賛同しているわけではないことをお断りしておきます。
以前のコラムでも述べたことがあるかと思いますが、私は個別株式に対するシステムトレードを実践しており、これは基本的には土屋氏の見解とは相容れないものだと理解しています。

しかし、全数検索の必要性と評価手法の重要性については、土屋氏の意見に全面的に賛同しております。また、システムトレードにおけるエクセルの位置付けについても同感です。
特に、評価の重要性については、当ブログにおいて過去に何度も述べてきました。

評価について述べますと長くなってしまいますので、また別の機会に考えたいと思いますが、人類が文明を進展させてきた最大の原動力は、評価手法の発展に尽きるのではないかと考えます。
「評価」することによって、私たちは新しい「何か」を見出してきたのです。

さて、土屋氏がブログを休載するのと前後して、システムトレード関連の書籍が相次いで刊行されています。最近のこの類の書籍は、きちんと分析された結果が示されているものが多く、システムトレードの裾野の広がりを感じさせます。

これらの書籍の内、私が最近購入したものをご紹介し、最後にしたいと思います。ちなみに、「投資の達人」12月号では、「投資に役立つエクセル入門」という記事が掲載されています。投資雑誌としては極めて異例なことです。その所為かどうかは分かりませんが、私が本書をよく購入する書店では、昨日時点で11月号は残っていたものの、12月号は売り切れていました。

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