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お蔵入りシステム [システムトレード]

どんなに優れたトレーディングシステムであっても、ドローダウンは必ず存在します。そして、それを消し去ろうといろいろな試みを行ないがちですが、たいていの場合は過剰最適化に陥って失敗に終わります。

例えば、ドローダウンの箇所を意図的に避けるようにフィルターを掛けてみたり、極めて特殊な「法則」を用いて、ドローダウンを打ち消したりしてしまいます。
しかし、そのようなシステムをその後継続して運用した場合、果たしてどのような結末を迎えるのでしょうか。

あるドテンシステムの資産カーブを眺めていた時、ふと思いついたことがありました。その資産カーブは何箇所かのうねりがあり、その谷の部分を反転させることができれば、性能を向上させることができるのではないかと考えたわけです。

試しに、資産カーブにその移動平均線を重ねてみました。移動平均期間を100~200日程度に設定すると、資産カーブのうねりに合わせて、資産カーブと移動平均線とが交互にクロスし、そのタイミングで資産カーブを反転してやれば、いい感じのようです。

そうと決まれば、話は簡単です。KFシステムクリエイターの追加システムの指標参照元に、基準システムの資産推移を設定し、その移動平均を計算した上で、資産カーブが移動平均よりも上にあればシグナルは基準システムのまま、下にあれば基準システムのシグナルを反転する、というロジックを組んでみました。

この場合、パラメータは一つですが、パラメータ範囲は広く取る必要があるため、従来の基準1を5から585まで20毎の数字に、基準2を0から19の数字に割り当て、5から604までの連続したパラメータを設定しました。

そして、最適化演算を行なってみたところ、その性能は基準システムの8割ほどに留まりました。大幅とは行かないまでも、若干の性能向上を見込んでいただけに、がっかりです。
そして、そこで思い出しました。そういえば、この方法はシステムトレードの検討を始めた当初に試したことがあると。

何のことはない、大昔に行なってお蔵入りさせていたシステムを、もう一度掘り起こしたに過ぎなかったわけです。
不思議なもので、資産カーブと移動平均のチャートを見ていると、何かうまく行きそうな気になってくるものです。

しかし、厳密にバックテストを行なってみると、基準システムのロバスト性が高ければ高いほど、このアイデアは役に立たないことがハッキリします。
もちろん、ロバスト性が低いシステムに対しては有効なのですが、そもそも、基準システムにそのようなシステムを採用すること自体がありません。

そういった訳で、この新しい(と思っていた)システムのアイデアは、お蔵入りになりました。
それにしても、人間の目とはあいまいなものですね。チャートを見ながら、ここで反転、そこで再反転などと思い巡らすと、大幅な収益増加が可能なように思えてきてしまいます。

ここで、資産カーブを株価チャートに置き換えてみたら、どうでしょう。チャートを何度も反転させた挙句、結局、元の株価チャートを抜くことができない、すなわち株を持ち続けていた方が良かった、という経験を持たれた方も多いのではないかと思います。

雑誌などで、売買ポイントを示しながら、ここで買い、そこで売り、などと解説している場面を見かけますが、それも錯覚である場合が多いのではないでしょうか。
実際に資産カーブを重ねてみますと、おそらく株価推移を上回ることは難しいのではないかと思います。

お蔵入りしたシステムの中には、別の理由で運用を見合わせているシステムもあります。昨年2月末のチャイナショックをきっかけに運用を停止した、裏デイトレシステムもその一つです。
これは現在も机上運用しているのですが、皮肉なことに最高益を更新し続けています。その結果を以下に示します。
システムトレード_資産カーブ_7203裏デイトレ01.JPG
これは、1998年1月5日から2006年8月25日までの期間で最適化を行い、その後9月から実運用を開始しました。半年近く順調に利益を伸ばしていたのですが、チャイナショックをきっかけに、一気に管理限界を割り込み、運用を停止しました。

その後、当初の管理限界を上回る水準には達していないのですが、資産カーブは順調に増加しています。もしも運用を続けていたら、という気持ちがないといえば嘘になりますが、このシステムは1トレード当たりの損益率が低く、かなり大きな資金を投じないと、手数料負けしてしまいます。

現在は残念ながら、このシステムを運用できるほどの資金はありません。また、借金をしてまで運用するほどのリスクを犯すこともできません。
それ以前に、このシステムを信用して資金を貸してくれる人や会社もいないでしょう。

計算上は、1,000万円程度の資金があれば、年間500万円位は稼げるということになるのですが。ちなみに、手数料と金利は、カブドットコム証券で年間100万円弱程度です。
いずれ資金が貯まったら再び運用したいとは考えますが、それ以前に身売りできるものならそうするかもしれません。

KFシステムクリエイターのおまけにでもしようかな、などという考えが頭を駆け巡る、今日この頃です(^_^;)

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