たかが6%、されど6% [投資・経済全般]
株式トレードの目標利益率は、どれくらいに設定すればいいのでしょうか？もちろん、それはあくまで目標値であり、実際にその通りにしなければならない、といった類のものではありません。
また、年間で考えた時に、月毎の損益率のバラツキは当然起こりえるものであり、月によってはマイナスになる場合も多々あります。
さて、一般によく言われるのは、毎月6%の利益を上げることができれば、年率リターン（複利運用した場合の年間利益率）は100%、すなわち資産が2倍になる、ということです。
電卓で、1.06を12乗してやれば、確かに2.012という結果が得られます。
しかし、年率100%などという数字を毎年達成し続けることが、如何に困難なことであるかについては、以前に述べた通りです。
たかだか1ヶ月6%ではありますが、その難しさは想像を超えるものとなります。
例えば、1ヶ月でもマイナスの月があれば、少なくとも残り11ヶ月で6.5%以上の利益率を達成するか、通月の目標値を変えないのであれば、少なくとも1ヶ月は12.4%以上の利益率を達成しなければなりません。
月単位の勝率を考えた場合、勝率80%が得られたとしても、2～3ヶ月はマイナスとなります。仮に、1年の内2ヶ月がマイナスで、損益レシオが2だとすると、年率リターンが100%であるためには、残り10ヶ月を8.1%の利益率で乗り切らなければなりません。
最近のボラティリティの大きい相場を見ると、1ヶ月で8%くらい簡単に取れそうな感覚を覚えますが、はたしてどうなのでしょうか？
とりあえず、上記と同様のことを考えてみます。
例えば、1ヶ月に10回トレードしたとして、その勝率が80%（これもまた凄いことですが）、損益レシオがやはり2だったとすると、1ヶ月に8.1%の利益率を得るためには、10回のトレードの内8回で1.12%の利益率が得られればいいように思えます。
「何だ、簡単じゃないか」と思われた方、もう少しお付き合いください。
実は、この1.12%の利益率というのは、全資金に対しての利益率です。すなわち、1ヶ月に10回トレードするというのは、1ヶ月に資金を10回転させるということになります。
これを実現するには、デイトレードでもするしかありません。しかも、デイトレードでも、1日あたり資金の50%以上を投入しないと、1ヶ月で10回転はできません。
ここでは、デイトレードは考えないことにします。そして、1銘柄あたり2回転として、レバレッジは掛けないものとすると、資金を5等分してそれらを2回ずつ転がすわけですから、全資金に対して8.1%の利益率を得るためには、勝ちトレード利益率は1.12%を5倍してやればよいことになります。すなわち、勝ちトレードで5.6%の利益率が要求されることになります。
すなわち、1ヶ月に1銘柄あたり2回のトレード機会があって、同時に5銘柄をトレードした場合、全資金に対して8.1%の利益率を得るためには、全10トレードの内少なくとも8回で勝ち、その際の利益率は各投資金額の5.6%以上でなければなりません。
また、負けは最大2回までしか許されず、その際の損失率は2.8%以内でなければなりません。
これが如何に難しい数字であるかは、トレード経験が多少なりともある方であれば、ご理解いただけるものと思います。
なお、1銘柄あたり1ヶ月で2回転というのは、かなり短期な部類に入ります。現実には、1銘柄あたり1ヶ月以上保有することもあります。勝率80%、損益レシオ2で1ヶ月に8.1%の利益率を得るためには、もしも1ヶ月に1回転しかしない場合、10銘柄をトレードすると1銘柄あたり11.2%の利益率が、5銘柄をトレードすると1銘柄あたり11.3%の利益率が必要となります。
では、妥当な目標利益率は、いったいどれくらいになるのでしょうか？
一般的には株式トレードの収益率は10%前後であると言われています。これは、株式を保有し続けた場合の株価平均上昇率ですから、アクティブ運用を志向するならば、この数値を上回ることが一つの目標となります。
ただし、実際の損益率は年によってバラツキがありますから、目標値としては上記の2倍の20%程度が現実的な値になるかと思います。
ちなみに、ＫＦシステムクリエイターで作成した85システムの平均年率リターンは、買いシステムで25.4%、売りシステムで20.1%、ドテンシステムで51.9%となっています。
仮に、年率リターン40%を目標利益率としますと、1ヶ月あたり2.84%ということになります。
なお、平均勝率は買い、売り、ドテンの各システムで、それぞれ57.7%、58.4%、58.0%となっており、平均損益レシオは、それぞれ1.92、1.99、1.85となっています。
簡単のため、勝率を60%、損益レシオを2とすると、1ヶ月あたり2回転×5システムとして、勝ちトレード利益率は3.5%以上が必要になります。これは割合現実的な数字かと思います。
もっとも、システムトレードの場合は、個別トレード（システム）の詳細な情報が事前に分かるため、上記のようなことを考える必要はないのかもしれません。
また、年間で考えた時に、月毎の損益率のバラツキは当然起こりえるものであり、月によってはマイナスになる場合も多々あります。
さて、一般によく言われるのは、毎月6%の利益を上げることができれば、年率リターン（複利運用した場合の年間利益率）は100%、すなわち資産が2倍になる、ということです。
電卓で、1.06を12乗してやれば、確かに2.012という結果が得られます。
しかし、年率100%などという数字を毎年達成し続けることが、如何に困難なことであるかについては、以前に述べた通りです。
たかだか1ヶ月6%ではありますが、その難しさは想像を超えるものとなります。
例えば、1ヶ月でもマイナスの月があれば、少なくとも残り11ヶ月で6.5%以上の利益率を達成するか、通月の目標値を変えないのであれば、少なくとも1ヶ月は12.4%以上の利益率を達成しなければなりません。
月単位の勝率を考えた場合、勝率80%が得られたとしても、2～3ヶ月はマイナスとなります。仮に、1年の内2ヶ月がマイナスで、損益レシオが2だとすると、年率リターンが100%であるためには、残り10ヶ月を8.1%の利益率で乗り切らなければなりません。
最近のボラティリティの大きい相場を見ると、1ヶ月で8%くらい簡単に取れそうな感覚を覚えますが、はたしてどうなのでしょうか？
とりあえず、上記と同様のことを考えてみます。
例えば、1ヶ月に10回トレードしたとして、その勝率が80%（これもまた凄いことですが）、損益レシオがやはり2だったとすると、1ヶ月に8.1%の利益率を得るためには、10回のトレードの内8回で1.12%の利益率が得られればいいように思えます。
「何だ、簡単じゃないか」と思われた方、もう少しお付き合いください。
実は、この1.12%の利益率というのは、全資金に対しての利益率です。すなわち、1ヶ月に10回トレードするというのは、1ヶ月に資金を10回転させるということになります。
これを実現するには、デイトレードでもするしかありません。しかも、デイトレードでも、1日あたり資金の50%以上を投入しないと、1ヶ月で10回転はできません。
ここでは、デイトレードは考えないことにします。そして、1銘柄あたり2回転として、レバレッジは掛けないものとすると、資金を5等分してそれらを2回ずつ転がすわけですから、全資金に対して8.1%の利益率を得るためには、勝ちトレード利益率は1.12%を5倍してやればよいことになります。すなわち、勝ちトレードで5.6%の利益率が要求されることになります。
すなわち、1ヶ月に1銘柄あたり2回のトレード機会があって、同時に5銘柄をトレードした場合、全資金に対して8.1%の利益率を得るためには、全10トレードの内少なくとも8回で勝ち、その際の利益率は各投資金額の5.6%以上でなければなりません。
また、負けは最大2回までしか許されず、その際の損失率は2.8%以内でなければなりません。
これが如何に難しい数字であるかは、トレード経験が多少なりともある方であれば、ご理解いただけるものと思います。
なお、1銘柄あたり1ヶ月で2回転というのは、かなり短期な部類に入ります。現実には、1銘柄あたり1ヶ月以上保有することもあります。勝率80%、損益レシオ2で1ヶ月に8.1%の利益率を得るためには、もしも1ヶ月に1回転しかしない場合、10銘柄をトレードすると1銘柄あたり11.2%の利益率が、5銘柄をトレードすると1銘柄あたり11.3%の利益率が必要となります。
では、妥当な目標利益率は、いったいどれくらいになるのでしょうか？
一般的には株式トレードの収益率は10%前後であると言われています。これは、株式を保有し続けた場合の株価平均上昇率ですから、アクティブ運用を志向するならば、この数値を上回ることが一つの目標となります。
ただし、実際の損益率は年によってバラツキがありますから、目標値としては上記の2倍の20%程度が現実的な値になるかと思います。
ちなみに、ＫＦシステムクリエイターで作成した85システムの平均年率リターンは、買いシステムで25.4%、売りシステムで20.1%、ドテンシステムで51.9%となっています。
仮に、年率リターン40%を目標利益率としますと、1ヶ月あたり2.84%ということになります。
なお、平均勝率は買い、売り、ドテンの各システムで、それぞれ57.7%、58.4%、58.0%となっており、平均損益レシオは、それぞれ1.92、1.99、1.85となっています。
簡単のため、勝率を60%、損益レシオを2とすると、1ヶ月あたり2回転×5システムとして、勝ちトレード利益率は3.5%以上が必要になります。これは割合現実的な数字かと思います。
もっとも、システムトレードの場合は、個別トレード（システム）の詳細な情報が事前に分かるため、上記のようなことを考える必要はないのかもしれません。
2008-04-21 19:31
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