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CSRの補足説明 [投資・経済全般]

1月21日のコラムで、CSRという指標を紹介しました。これは、年率リターンと平均リターンの比で、英語で複利(compound)の頭文字のCと、単利(simple)の頭文字のSと、割合(ratio)の頭文字のRをつなげたものです。

CSRについては、同日のコラムで、「資産カーブのバラツキの度合いを知る指標」であると述べましたが、実はそれに加えて、資産カーブの傾きの度合いを知る指標でもあります。

また、CSRは、年率リターンを平均リターンで割った値ですが、その後の検討で、厳密には、年率リターンを平均リターンの絶対値で割った方がいいことが分かりました。
これは、年率リターンと平均リターンが共にマイナスとなった場合、CSRが1を大きく上回ってしまうことがあるからです。

一般的に、年率リターンもしくは平均リターンの絶対値が、ある値の範囲よりも小さい場合、平均リターンは年率リターンよりも大きくなります。
その大きくなる度合いは、資産カーブのバラツキによって決まります。

バラツキが小さければ、平均リターンと年率リターンとの乖離は小さく、バラツキが大きくなるほど、両者の乖離は大きくなっていきます。
そうなると、平均リターンがわずかなマイナスで、年率リターンが大きなマイナスになる領域が存在します。

その領域でCSRを求めると、平均リターンの値によっては、非常に大きな正の値になってしまう場合があります。
それを避けるために、平均リターンの絶対値を使う必要があるわけです。こうすれば、CSRは負の大きな値になることはあっても、正の大きな値になることはありません。

したがって、CSRが1を超える水準を優良とした場合に、リターンがマイナスとなるシステムが紛れ込むことを避けることができます。
ちなみに、平均リターンがマイナスで、年率リターンがプラスの場合も、CSRが1を超える場合があるように見えますが、そのような状態が存在しないことは明らかです。

結局、CSRは大きければ大きいほど良い、ということが言えるわけです。

CSRの便利なところは、CSRが大きいトレードやシステムは、リターンが大きく、かつバラツキが小さいということが言えることです。
バラツキがある程度小さい場合には、年率リターンもしくは平均リターンが凡そ20%を超えてくると、CSRが1を超える場合が出てきます。

また、これらのリターンが大きい、例えば50%程度ある場合には、CSRが1を上回ることが多くなってきます。
そのようなシステムでは、積極的に複利運用を行った方が良いということが言えます。

また、先日のコラムでも触れましたが、CSRの大きさを見ながらレバレッジを決定する、という方法も有効です。
CSRの大きなシステムであれば、それだけレバレッジを高められますし、CSRの小さなシステムであれば、レバレッジを1倍よりも低くすることで、実効的なCSRを向上することができます。

何度も申しますように、CSRの大きなシステムほど、安定した運用成績を残すことができると考えられます。
トレード戦術を練ったり、運用システムを選定したりする際に、CSRは重要な指標となるでしょう。


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