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システムはなぜ機能するのか? [システムトレード]

システムトレードを行なっていると、時々、「なぜシステムは機能し続けるのだろう?」という疑問に駆られることがある。

以前、「システムトレードは確率に裏打ちされた投資手法である」、などと、さらりと言ったことがあるが、自分でも明確に判っているわけではない。実際にシステムトレードを行なっている私ですらそう思うのだから、一般の人がシステムトレードに関して眉唾モノ的な思いを抱くことは十分理解できる。

システムを作成していく中で、ロバスト性や効率を高めるために、投資指標のパラメータを調節することは一般的になされている。このように、システムを作成する中で、「最適化」は避けて通ることのできない作業である。この「最適化」が、システムを恣意的に構築していると思われる元凶である。しかし、「最適化」なしにはシステム作成がままならないこともまた、事実である。

この疑問を、単なる確率論で解決できるのだろうか?
即ち、システムトレードが成立する根拠を、確率論に求めて良いのだろうか?

よくテクニカルトレーダーが口にする言葉で、「チャートには全ての材料が織り込まれている」という考え方がある。システムトレードも、チャートを出発点としている以上、このような考えの上に成立していると仮定することができる。

数学の手法の一つに、「モンテカルロ法」というものがある。
これは、例えば円周率を求める時に、通常は複雑な計算式を用いて逐次計算していくものだが、「モンテカルロ法」では、例えば四角の中に円を描き、無数の点を四角の内側にランダムに打ち、四角内の円の内側と外側に打たれた点の数の比率によって円周率を求める。

実は、システムトレードが機能する理屈も、この「モンテカルロ法」と同じではないかと考えている。

過去の株価の動きには様々なパターンがあり、それらには様々な材料の影響が関与している。
企業活動や決算報告、政府・日銀発表、国内外情勢、外国市場、為替市場等、それらは常に材料として株価に反映され、株価を動かしている。その結果としてチャートが形成される。
それらの株価の一つ一つを「モンテカルロ法」の点と捕らえ、その点の「分布」を調べることで、システムを構築する。当然、点の数が多いほど、そのシステムの信頼性は高まることになる。

システムの作成とは、本来バラバラであるそれらの「分布」を、数学的な変換により、時間軸との相関を高めてゆくことである。その変換の中で「最適化」が行なわれるわけだが、恣意的に、または過度に、「分布」の点を間引いたりすると、そのシステムの精度は著しく低下し、投資システムとして機能しなくなることは、容易に想像できる。
これは上述の「モンテカルロ法」を考えれば判ることであるが、点の数が少なければ、円周率を精度よく求めることはできないし、点の分布が恣意的に偏っていたら、正確な円周率を求めることはできない、ことと同じである。

どのような変換を行なうと、過度な「最適化」になるのかはまだ判らないが、今のところ、裏デイトレベースの投資システムはよく機能している。
うまく機能しているシステムは、様々な材料による価格変動のパターンを、より多く織り込んでいると考えられる。将来的にも、これらの要因を覆すほどの想定外の事象でも起きない限り、システムは機能し続けるものと期待している。


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