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分散と集中(その2) [システムトレード]

逆説的ではあるが、ある目標を持って資産運用を行なうのであれば、対象とする投資のなかで最もリターンの大きいものに集中投資するべきである。また、目標を達成したら、年度の途中であっても、全て現金化するべきである。

それが最も効率的な投資であると言えよう。

しかし実際には、更に不利な投資を推奨されている。即ち、株式の分散投資である。どんなに買い場であろうと、全資金を1銘柄に集中投資することはご法度とされている。
即ち、まず株式投資に振り向けた資金のうち、半分だけで株を購入しなさい、さらに、1銘柄に集中することなく、複数銘柄に分散投資しなさい、と。
結局、当初の収益目標の達成をより困難にするだけである。前述の理屈で言えば、1銘柄で5%の利益でよいものが、何10%もの利益を上げなければ収益目標を達成できなくなってしまう。複数銘柄で揃って利益を上げることは難しい。いくつかの銘柄同士は行って来いで差し引きゼロ。結局、残る少数銘柄に全ての期待を背負わすことになる。しかし、それは上の理由で厳しい。結局、運任せになり、資産目標など管理不能になってしまう。

投入資金にしても、半分だけ残せば、後々ナンピンがしやすくなったり、いざと言うときの軍資金になる、というのが理由だが、ナンセンスである。
ある株を買ったときは、上がると思って買っている。下がることなど、本来考えていない。即ち、ナンピン資金や他銘柄への乗り換え資金なぞ、考えること自体がおかしい。
では、下がったときの対処をしなくてよいのか?そんなことはない。

行なうことはただ一つ。損切ればよいのである。

損切りばかりしていたら、結局勝てないのではないか?そんなことはない。株価が永久に下がり続けるのならいざ知らず、実際には上昇局面もある。ただし、一度銘柄を決めたら、利益が出るまでその銘柄を売買し続けることが必要だ。損切った後、株価が反転したら買い直せばよい。逆に下がり続けるようだったら、下げ止まりを待って買い直す。損切りの基準を、目標利益の半分くらいに置いておけば、そんなに大きな損失にはならないだろう。また、目標利益の2倍程度を年間の最大損失とすれば、損失を積み重ねて資産を大幅に減らすことも防げる。

これはいわゆる繋ぎという手法であるが、極めて効率的な方法である。

ここで重要なのは、闇雲に銘柄を変えないことと、目標利益に達っするか許容損失を越えたら、その年度の売買は手仕舞うことである。なお、最初の銘柄選びと買いタイミングが重要なのは言うまでもない。

さて、ここまで分散投資よりは集中投資の方が効率的であると述べてきたが、分散投資でも安定して利益を上げられる可能性がないわけではない。
株価が長期に渡ってずっと右肩上がりの銘柄があればそれに越したことはないが、そのようなものがあれば苦労はしない。しかし、実際には上がり続けている株であっても株価は大きく変動しながら推移するものである。買い時を誤れば、目標売買期間の間、株価は下げ続けるかもしれない。
では、どうすればよいか?
少なくとも過去数年間で株価が上昇している銘柄を選び、それらの中で、その間の株価の変動周期が異なる銘柄を組み合わせれば、単独の株を買うよりは資産の変動は小さくなる。

いわゆる、ポートフォリオを組むということである。

何で今更と思うかもしれないが、ここで重要なのは、時間軸に対して大きく変動する株価を、その変動幅がお互いに相殺されるようにポートフォリオを組むことによって、時間軸に対して小さな変動で増加する資産カーブに変換することである。


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