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分散と集中(その3) [システムトレード]

ある基準(ここでは時間軸)に対する対象(ここでは株価や資産)の変化が比例関係にあるとした時、その実際値がバラツキ少なく1本の直線近辺に分布していることを、ロバスト性が高い、と言う。相関が高い、あるいは相関係数が大きい、と言ってもよい。

資産の時間変化を示す資産カーブは、ロバスト性が高いことが望まれる。

そうすれば、その投資対象や手法は安全性が高いと考えられる。もちろん、カーブは右肩上がり、即ち正の相関関係でなければならない。さもなければ、資産は増えないか、時を追うごとに減少してしまう。
なお、資産を複利で運用したりすると、理想的な資産の上昇カーブは直線ではなく、いわゆる指数関数的な上昇曲線になり、本来の意味のロバスト性は意味を成さないと考える方もいるかも知れない。その場合は対象の軸を対数目盛りに変更すれば、ロバスト性は保たれる。

では、理想的な資産カーブとはどういうものであろうか?

繰り返しになるが、一つはロバスト性が高いということである。
これは安定的に資産形成する上では欠かせない要件であるが、本来、株式投資とロバスト性とは相容れないものであった。預金や国債などの元本保証型金融商品は、ロバスト性は極めて高い。

しかし、資産カーブにはもう一つ、効率性という要件が求められる。
元本保証型金融商品は、効率性という意味では、残念ながらほとんど資産形成に役立たない。
効率とは、資産カーブの傾きであり、これが大きいほど、より短時間で資産を増やすことが出来る。

言ってみれば、株式投資は高効率・低ロバスト性、預金や国債は低効率・高ロバスト性ということになる。

なお、ロバスト性という言葉は元々は統計学で用いられている。統計学では通常、ロバスト性を示す値をSN比、効率のことを感度と呼ぶが、ここでは直感的に分かりやすくするため、上述のような呼び方としている。

株式投資の低ロバスト性という欠点を補うために、ポートフォリオの最適化による分散投資が行なわれる。したがって、ポートフォリオ構築には、時間軸に沿った高度な株価分析が必要となる。


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下手なトレーダー

儲かる株式投資情報を教えてください。

http://blogs.yahoo.co.jp/adreamofatrader
by 下手なトレーダー (2005-10-10 15:02) 

Kフロー

本ブログを閲覧していただき、ありがとうございます。

このブログでは、特定銘柄を例示することはあっても、推奨することはありません。
「儲かる株式投資情報」がどのような意味なのか判断しかねますが、本ブログや他のブログ、書籍等を参考にして、ご自身で勉強し、判断されることをお勧めします。

Kフロー
by Kフロー (2005-10-11 10:39) 

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