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トヨタ自動車(7203)順張りシステム(1) [フォワードテスト]

フォワードテストの第一弾は、トヨタ自動車の順張りシステムです。なお、昨日のコラムで、バックテスト期間を1993年11月1日から2006年6月30日までと説明しましたが、これを2005年6月30日までに変更いたします。

したがって、その期間で決定したパラメータを用いて、2005年7月1日以降現在までの資産カーブ等の推移を評価することになります。
テスト期間を変更したために、バックテストを一からやり直すことになりますが、仕方ありません。

テスト期間変更の理由は、2005年7月以降の大きな市場の変化に、それ以前のバックテストの結果から設定したシステムで追従できるかを見るためです。
また、フォワードテストで一般的に推奨されている、バックテストデータ8に対し、フォワードテストデータ2の割合に準じた方が良いと判断しました。

これがかなり厳しいテストになることは承知していますが、2005年後半の株価急騰局面をバックテスト期間に含めることは、フェアではないと思いました。
なお、株価データの存在する期間が短い銘柄に関しましては、テスト開始日から現在までの期間の8割程度をバックテスト期間に充当し、それ以降をフォワードテスト期間といたします。

さて、トヨタ自動車の順張りシステムにおいて、1993年11月1日から2005年6月30日までの期間でバックテストを行い、買いシステムの損益累計が最大となるパラメータを決定しました。
そのパラメータを保持したまま、現在までの資産カーブ等を表示したチャートが下図になります。
システムトレード_資産カーブ
システムトレード_資産カーブ
上段は買いシステム、下段はドテンシステムのチャートです。資産カーブ(損益累計)に加えて、その回帰直線(回帰推定値)と回帰±2δライン、そして、株価に対する資産増減比率を表示しています。

株価に対する資産増減比率は、バックテスト開始日から株式を保有し続けていた場合と比べて、資産がどれくらい増加したかを示しており、これが1以上だと、そのシステムはインデックス(株価推移)に勝っているということが言えます。

回帰直線と±2δラインは、2005年6月30日時点で固定しています。資産カーブがその後、回帰-2δラインを1.25倍以上割り込んでいると(-2.5δを割り込むと)、そのシステムは機能停止したと判定されます。

トヨタ自動車の場合は、買いシステムおよびドテンシステムのいずれにおいても、2005年7月以降の株価急騰に上手く乗り、機能を維持していることが分かります。

また、ここ半年ほどにおいては、買いシステムにおいて資産の下落が見られますが、株価に対する資産増減比率は逆に上昇していることが分かります。これは、資産の下落以上に株価が下落していることを意味します。

なお、資産カーブが回帰+2δラインを大きく上回っている点については、統計的に問題があるかもしれません。しかし、一旦システムの運用を始めた場合は、システムの機能判定は回帰推定値-2.5δを割り込むかどうかに絞られます。

資産カーブが±2δの範囲をどれくらい逸脱しているかについては、あくまでそのシステムの運用を開始するかどうかの判断材料に過ぎません。
一度運用が開始されたシステムの場合、回帰+2δラインの上方への逸脱は問われません。

ただし、このチャートの例のように、あまりに大きく上方乖離すると、システムが機能停止するまでの値幅が大きくなりすぎて、実運用上不都合が生じます。
そこで、回帰-2δラインでトレイリングストップが掛かるよう、資産カーブの上方シフトに合わせて回帰直線等を引き直せば、適切なタイミングでストップを掛けることができます。

この問題については、別の機会に考察したいと思います。

話を戻します。ドテンシステムでは、買いシステムに見られたここ半年ほどの一方的な資産下落はありません。これは、株価の下落に際しての売りシステムが機能しているためです。
それでも、ここ半年程はドローダウンの最中にあります。まあ、その間の市場の荒れ模様を考えれば、仕方がないかもしれません。

性能指標に関しては、バックテスト期間と2007年11月13日までの全期間とで比較して、損失系の指標に違いはありませんでした。
一方、プロフィットファクターは、買いシステムで1.93⇒2.44、ドテンシステムで1.66⇒1.89と、大きく向上しています。また、損益レシオにも大幅な向上が見られます。

今回は、説明事項が多かったため、2nd Layerシステムのテスト結果に触れることができませんでした。これらについては、明日のコラムで述べたいと思います。
最後にそれらのチャートだけ掲示して、今日のコラムを終えたいと思います。

なお、テスト条件等は上述の順張りシステムと同様です。順張りシステムに対して、ETDでストップ設定したシステムが順張SL1、損益率でストップ設定したシステムが順張SL2となります。
システムトレード_資産カーブ
システムトレード_資産カーブ
システムトレード_資産カーブ
システムトレード_資産カーブ


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フォワードテスト結果順次公開します [フォワードテスト]

株式市場はいよいよセリングクライマックスの様相を呈してきました。日経平均は7日続落となり、その間の下げ幅は1,673円に達しました。
これは、8月9日から8月17日までの下げ幅1,897円や、2月26日から3月5日までの下げ幅1,573円に匹敵する下落で、1週間強程度の下げ幅としては、今年2番目の大きさになりました。

そんな中、トレーディングシステムでは、順張りシステムは軒並み売りシグナルを発していますが、逆張りシステムは買いシグナルが点灯しっぱなしの状況が続いています。
逆張りシステムは、大きく下げたところからの反発を狙うので、これは当たり前のことなのですが、反発らしい反発がほとんどない状況では、どんどん含み損が拡大していきます。

そのため、逆張りシステムでは、順張りシステム以上にシステムの堅牢性が問われることになります。逆張りシステムの性質上、トレード毎の固定的なストップは設定し辛いのですが、システムが機能停止にまで追い込まれたら、そこで事実上のストップとなります。

逆張りシステムに限らず、システムの堅牢性の確認は、トレーディングシステムの重要な評価項目です。それには様々な手法があるでしょうが、最もポピュラーな方法はフォワードテストです。
過去の一定期間においてバックテストを実行し、その結果をそれ以降から現在までに反映させます。

上記の「それ以降から現在まで」の部分が、フォワードテストに相当します。正式には様々なやり方があるのでしょうが、簡易的には、一定期間より過去のデータを用いたバックテストで決定したパラメータを現在にまで適用した時に、システムが正常に機能しているかどうかを確認します。

システムの機能性評価としては、資産カーブの推移が統計的に考えられる範囲内に収まっているかを重視し、補足的な評価項目として、様々な性能指標がどのように変化したかを判定します。
そのような方針の元、様々な銘柄のシステムでフォワードテストを行なっています。

その結果を公開する場として、当初は「Kフロー株式トレード研究所」サイトを考えていましたが、サイトの使用可能容量が残り少ないことや、ページのフォーマットが崩れたり、動作が極端に重くなったりする問題があるため、こちらのブログで公開することにしました。

新たに「フォワードテスト」カテゴリーを設け、そこでフォワードテストの結果を公開していきます。サイト上の株価データサンプルに含まれる全銘柄である、日経平均株価+主要30銘柄(主要でないものも含まれますが)を対象に、順次公開していく予定です。

フォワードテストの方法は、次の通りです。

①テストを行なうシステムは、各銘柄毎に、順張り、逆張り1、移動平均の3つとし、それらに2nd Layerを加えた、計9システムとします。ただし、場合によっては、それらに3rd Layerシステムを加えるかもしれません。

②バックテスト期間は、原則として1993年11月1日~2006年6月30日とし、2006年7月3日以降現在までの期間でフォワードテストを行ないます。すなわち、バックテスト期間で設計したシステムが、フォワードテスト期間でも機能するかを確認します。

③最適化対象銘柄は、買いシステムの損益累計とし、バックテスト期間においてそれが最大となるパラメータを、客観的に決定します。恣意性を排除し、買いシステムの損益累計が最大値となるパラメータを機械的に抽出します。

④システムの機能性判定は、買いシステムおよびドテンシステムにおいて行ないます。買いシステムを判定対象に加えるのは、現物のみのトレードも想定しているためです。逆に、売りのみのトレードは特殊な状況であり、判定対象からは除外します。

⑤判定は、KFシステムクリエイターに備わった機能判定とシステム判定を基本とし、それを補完するために、各種性能指標を比較します。結果は、極力、チャートで示します。その他、個別の条件やテストの詳細等については、その都度説明いたします。

まだ全体の1/3くらいの銘柄しかテストを終えていませんが、機能するシステム、機能しないシステム等、様々です。明日以降、順次公開していきますので、システム性能の最終的な判断は、今後のコラムを通して、皆様にしていただけたらと思います。


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