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リードタイムとロバスト性 [システムトレード]

今週に入ってシステムは絶不調です。日産売建てでは株価は上昇し、アルプス買建てで利益が乗ったと思ったら、手仕舞い時に大幅ギャップダウンで結局損失。
今日は寄付きで、日産とアルプスを共に買建てたのですが、その後の推移はご承知の通りです。

私が現在運用しているシステムは、そんなにロバスト性が高いわけではないので、ある程度のドローダウンは致し方ないのですが、それにしても勝てません。
年間収支は、ついに今年5月の水準にまで悪化してしまいました。これからプラ転しないとは言えませんが、かなり難しそうです。

ロバスト性と言えば、例えばトヨタの生産方式はそれを極限まで高めたものだとも考えられます。あくまでイメージの話になりますが、横軸を時間、縦軸を生産量とした時、理想的にはそれが完全な右肩上がりの直線になるはずです。

しかし、生産に際しては必ずリードタイムが生じ、また、不良が発生すればそれはマイナスの生産量として計上されます。
すなわち、生産量推移チャートは完全な直線ではなく、リードタイムや不良発生によって、階段状の推移となります。完全な直線からのこのズレが、生産におけるロスとなるわけです。

トヨタは不良の削減はもちろん、リードタイムの極小化を図ることで、このロスをギリギリまで縮小し、高い生産性を維持してきました。
しかし、東日本大震災やタイの洪水によってリードタイムの極小化が破綻し、大きなロスが生じてしまったと考えられます。

極めて単純に考えると、例えばタイの洪水によってリードタイムが1カ月に増えたとすると、その間の累積生産量は変化しないことになります(もちろんそれまでの在庫はあるでしょうが、リードタイムの極限を考えます)。

一方、部品供給元を2箇所にして、その内の1箇所からの供給は継続していたとすると、その間の1カ月は半分の生産量ながらも生産を継続できることになります。
すなわち、単純に1カ月の生産量の半分をロスするだけで、生産を継続することができる訳です。

そのため、各社は多重購買を推進することを考える訳ですが、もちろん、そうするためにはまた新たな別種のロスが生じます。
結局のところ、それらのロスを比較検討した上で、想定する最悪の被害に対して、最も生産量を落とさない方法を模索していくことになるのでしょう。

この辺りの考え方は、もちろんシステムトレードでも同じです。元々、システムのロバスト性から論を発しているわけですから、当たり前と言えば当たり前です。
ロバスト性を高め過ぎると、想定外の出来事に対して脆弱になります。想定する出来事を広げ過ぎると、ロバスト性が悪化します。両者のバランスが重要ということです。

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