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株価は誰が動かすのか? [投資・経済全般]

当たり前の話ですが、いわゆるテクニカル分析が有効に機能するためには、その分析対象が自己相関を持つことが必要です。
それが存在しない、もしくは非常に相関が低い場合は、通常のテクニカル分析に意味を見出すことは困難です。

一般に、株価はさまざまな材料に基いて判断される投資家の売買行動によって推移します。その投資家達が何を売買の判断に用いているかによって、株価の推移は異なってくるものと考えられます。
株価が大きな影響を受けるのは、大量の売買が行われた場合であり、主にそれは機関投資家によって成されます。

では、機関投資家は何を基準に売買しているのかというと、よく言われるのは、ファンダメンタルズであったり、自社の都合であったりするようです。
一般には、テクニカル分析の類はほとんど用いられることはないとされています。

その売買行動を知ることができれば、そこには株価推移との大きな相関が見られるはずですから、有効な投資システムを構築できる可能性が出てきます。
それがいわゆるマルチファクターモデルということになるわけです。

したがって、自己相関のみに基いたトレーディングシステムは意味がなく、その結果は全てカーブフィッティングということになってしまいます。
市場から利益を得るためには、主たる投資家の売買行動が起こした歪を検知し、それを是正する方向に張ることが重要です。

また、個別銘柄のファンダメンタルズは頻繁に変化しますから、過去の株価に基いてトレードを行うこと自体がナンセンスです。
個別銘柄への資金の流出入はかなり激しく、その事実を考えるだけでも、個別銘柄を扱うシステムはインチキである可能性が高いと言えます。

でも、ちょっと不思議に思うのは、機関投資家はそんなにしょっちゅう売買しているものなのでしょうか?
もちろん、マーケットインパクトを避けるために、日にちをずらして継続的に売買している可能性はあります。

しかし、それが株価を動かす原動力なのかと問われると、正直、よく分かりません。そもそも、例えば機関投資家がある銘柄を買う場合、それを売ってくれる投資家が必要です。
それもまた機関投資家であるとすれば、似たようなファンダメンタルズに基き、似たような都合で売買する者が、いつも全く正反対の投資行動を取るとは考え難いように感じます。

そうすると、機関投資家の売買の引き受け先は、一体誰なんでしょう?個人投資家でしょうか?証券会社の自己売買部門でしょうか?
いずれにしても、それらは比較的短期のトレードを行う存在かもしれません。

期間投資家の売買行動がインパルスだとすると、その後の株価推移は短期トレーダーによってもたらされる過渡応答であると考えられます。
株価に過渡応答があれば、そこには自己相関の芽が存在します。

ひょっとして、結構自己相関ってあるのかもしれません。少なくとも、短期で売買するトレーダーが、ファンダメンタルズだけで行動するとは、到底考えられません。
そうだとすると、最初に考えたシナリオが崩れてしまうようにも思えます。どちらなんでしょうね。

まあ、私は別にどちらでも構いません。正確な原理が分からなくても麻酔は効きますし、飛行機は飛んでいます。
そして、それらは実用化され、私たちの社会に役立っているのですから。

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コメント 3

たかとび

うーむ。。
難しい話ですね。。自己相関にマルチファクターモデル。。
勉強するしかないですね。。
何が正解かはわかりませんよね。
ひょっとすると自分のやってることは間違いで正解じゃないかもしれない。
でも少しでも正解に近付きたいですよね。
無駄におわるかもしれませんし、勉強はとても難しいのですが逆に言えば
有効なストラテジーさえ探せば後はもう終わりと考えていた自分にとっては
レベルアップするチャンスかもしれません。
ブログの記事これからも楽しみに待ちます。

by たかとび (2010-05-06 21:40) 

Kフロー

kk789weさん、はじめまして。
nice!をいただき、ありがとうございます。

by Kフロー (2010-05-07 08:35) 

Kフロー

たかとびさん、おはようございます。
コメントありがとうございます。

結局、何が正解なのかは、人生の最後を迎えた時点でないと、分からないのかもしれません。
その時点で、自分が有益な結果を得ることができたと感じることができたなら、それが正解なのだろうと思います。

by Kフロー (2010-05-07 08:44) 

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