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自己相関は市場の非効率が作り出す [システムトレード]

相関係数をキーワードにここまで話を引っ張ってきましたが、合成システムあるいはシステムポートフォリオに関しては、元システム間の相関係数は小さい方が良い、ということです。
一方、相関係数が大きい方が良い、という世界も当然あるわけで、むしろそちらの方がメインストリームです。

さて、トレーディングシステムにはいくつもの分類方法がありますが、その一つに、マルチファクターモデルと自己相関モデルがあります。
マルチファクターモデルについては一先ず置いておくこととし、自己相関モデルについて考えてみます。

自己相関モデルというと何か難しい印象を受けますが、何のことはない、株価の集合とその株価の関数の集合のみで成り立っているトレーディングシステムです。
要するに、株価とそれを加工したものとの関係を調べ、それに基いて売買を行なうシステムです。

世の中の大半のテクニカル分析は自己相関モデルですし、KFシステムクリエイターの現行ロジックも、「暦(れっき)とした」自己相関モデルです。
そして、効率的市場仮説では、このような自己相関モデルは必然的な収益機会を得ることができない、ということになります。

何故なら、効率的市場仮説によれば、株価を決定する要因は瞬時に市場に伝わり、それを受けて瞬時に株価が形成されるからです。
すなわち、そこには時間的な要因が働くことはなく、その結果、株価を時間軸で加工するいかなる行為も、新たな価値を付加することができないからです。

しかし、現実には自己相関モデルでも機能するシステムは存在しますし(少なくとも私はそれを信じていますし)、相場の動きはそのような無機質な動きではない、もっと血の通ったものだということを、多くの投資家が肌で感じているものと思います。

効率的市場仮説における最大の論点は、全ての市場参加者が合理的経済人であり得るか、ということであり、行動経済学の台頭により、その仮定は否定されつつあります。
すなわち、我々は合理的経済人ではなく、その結果、時として非合理的な行動を取ることがあるわけです。

まあ、人間心理を出すまでもなく、全ての情報が瞬時に伝わり、その結果が「全ての人に平等に」瞬時に売買行動に結びつくことなど、全市場参加者が完全にロボット化されたとしても、あり得ないわけです。

そこには、物理的に排除できないタイムラグが大なり小なり存在しますし、結局は1番になる人から最下位になる人まで、数多くの序列が存在することになります。
すなわち、情報の伝達とそれに基く行動には、時間的な広がりが存在するわけです。

時間的な広がりが存在すれば、その情報に基いた株価の動きを有限の時間で解析し、処理することが可能となります。
それを的確に判断し、適切な売買行動を取ることができれば、そこには偶然ではない収益機会が生じることになります。

さすがにそのようなトレードは一個人では行うことができませんが、幸いなことに、ある情報に対して株価が反応するまでには、現状においてはかなりの時間的な広がりがあります。
更には、それによる株価の動きを見た投資家の思惑が加わることで、株価は振動し、より長期に渡って市場に影響を及ぼします。

物理的、数学的なイメージとしては、効率的市場仮説においては情報とその結果は純粋なインパルスで与えられるのに対し、実際には時間的幅を持つ孤立波で与えられます。
更にはそれに市場参加者の後発的な思惑が加わることで、時間的に減衰する振動波となるわけです。

その結果、株価そのものとは異なった変数(市場参加者の思惑)を暗に含む関数が存在し、それと株価との関係を適切に評価することによって、収益機会を得る可能性が生じることになります。
すなわち、自己相関モデルであっても、機能するシステムが得られる可能性は十分にある、ということが言えるかと思います。

最後に、ここまで読んでくださった方々には大変申し訳ないのですが、これはあくまで私の妄想の一種です。当然、科学的な証明などと呼べる物ではないことをご承知置き下さい。
でも、何だか株価の物理モデルが作れそうな気がしませんか?ひょっとしたら、グランビルの法則なども説明できるのかもしれません。

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