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合成システムを得るための条件 [システムトレード]

昨日のコラムではさらりと流しましたが、長周期の順張りと短周期の逆張りの組み合わせは、なぜ相関係数が小さくなるのでしょうか?
それは、株価の動きを思い浮かべれば、ある程度は理解できます。

例えば、株価が定期的に押目を付けながら、大きな上昇トレンドの状態にあるとします。その場合、順張りシステムは買いホールドを継続している可能性が高く、逆張りシステムは押目の周期に合わせて売り買いを繰り返す可能性が高まります。

ちょっと乱暴ですが、逆張りシステムの売り買いの割合が半々だとすると、半分は順張りシステムと同じ方向、残りの半分は逆の方向になります。
すなわち、両者の相関係数はほぼゼロ近辺に落ち着く、というわけです。

上例からも分かるかと思いますが、実は正確には、順張り、逆張りという括りは正しくはありません。むしろ、それらのパラメータ周期の長短の方が重要となります。
しかし、一般的に順張りシステムには長周期のものが多く、逆張りシステムには短周期のものが多いため、良好な組み合わせが得られる可能性が高まります。

特に、同一ロジックを用いた正逆合成システムでは、正システムと逆システムのパラメータ周期が確実に異なりますので、両者の相関係数が小さくなることが大いに期待できます。
すなわち、正システムと逆システムの両方の期待値がプラスで、共に機能していると考えられる場合は、それらを合成することで、より高性能なシステムを得る可能性が高まるわけです。

なお、パラメータ周期に注目しますと、順張り/逆張りの組み合わせだけではなく、順張り/順張りの組み合わせでも、両者の周期に大きな違いがあれば相関係数を小さくすることができます。
事実、いくつかのシステムで確認しただけでも、そのような事例を見つけることができました。

ただし、少なくともそのシステムのフォワードテスト結果は、必ずしも芳しいものではないようです。この事例を含めた合成システムの具体例につきましては、機会がありましたらご紹介したいと思います。

さて、2つのシステム間の相関係数を調べるにしても、実際に合成システムを作って確認するにしても(手間は掛かりませんがHDD容量を余分に食います)、それだけの組み合わせを実際に確認する必要があります。

KFシステムクリエイターの場合、現時点において6つの基本システムがあり、それらの逆システムも加えると、12のシステムが存在します。
なお、固定パラメータの変更や、フィルタの設定、追加システムの適用などを含めると、数え切れないほどのパターンが存在しますので、ここでは考えません。

12のシステムの内、異なる2つのシステムを組み合わせる場合の数は66(=∑n[n:1→11])もあるため、普通に相関係数を求めていたのでは大変です。
そのような場合は、重回帰分析を行なえば簡単になりますが、ここでは割愛します。

このように、2つのシステムを合成する場合、相関係数が重要な意味を持つわけですが、実は相関係数が活用される事例は、それだけに留まりません。
例えばマルチファクターモデルにおいても、重回帰分析によって複数のファクター間の相関係数を求め、相関の高い組み合わせを見つけ出すことから、システム構築が始まります。

これらについては、いずれ機会がありましたら考えていきたいと思います。

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