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頭と尻尾はくれてやれ [投資・経済全般]

先日のコラムでも少し触れましたが、例えば株価の移動平均が上昇しているならば、株価は上昇している、ということは必ずしも正しくありません。
株価の日々の上昇下降幅が同じであると単純化した場合、仮に直近12日間の株価が連続して下落していたとしても、その25日移動平均は上昇していることだってあり得ます。

しかし、私たちは往々にして、例えば移動平均が上昇していれば株価もまた上昇しているものだ、と思い込んでしまう場合が少なくありません。
もちろん、これは移動平均に限ったことではなく、時間的な幅を持った全てのテクニカル指標について当て嵌まります。

株価が上昇し続けていれば、その移動平均もまた上昇し続けます。しかし、その逆は必ずしも真ではないのです。
そのことが、株式トレードにおけるテクニカル分析を難しく、もっと辛辣な言葉を使えば、怪しくしているわけです。

こんな話をすると、たぶんマルキール博士やその信奉者は、それ見たことかと言うでしょう。だから、テクニカル分析なんぞはイカサマであると。
しかし、そこで議論を終結してしまうことは、非常にもったいない話です。

不思議なことに、相場には日々の上昇と下降との比率が非対象である期間が、長く続く場合が存在します。それは市場参加者の心理状態で起こるのかもしれませんし、企業業績に応じて生じるのかもしれません。あるいは、全くランダムに発生することがあるのかもしれませんが、その原因については考える必要はありません。

このような、日々の上昇と下降とが非対象である期間を、一般にトレンドと呼ぶわけです。比較的多くの銘柄において、このようなトレンドが発生する場合があるという事実こそが重要であり、その理由はどうでもいいことです。

そして、トレンドが生じている期間が長ければ長いほど、例えば株価とその移動平均の関係は、「逆もまた真なり」に近いものとなります。
すなわち、株価が上昇すれば移動平均も上昇し、移動平均が上昇している間は株価も平均的に上昇している、と見なせるわけです。

そして、その関係が崩れた時が、トレンドの終了ということになります。トレンドが継続している間だけ株式を保有していれば、収益を上げる可能性が高くなります。
これは、いわゆるトレンドフォローの考え方です。

相場格言にある、「頭と尻尾はくれてやれ」というのは、株価が大底から上昇し始めてからトレンドの発生を確認するまでが頭、ピークから下落し始めてからトレンドの終了を確認するまでが尻尾、ということになります。

問題は、いかに的確にかつ素早く、トレンドの発生と終了を確認するかですが、それを大きく左右するのがテクニカル分析、あるいはシステムロジックの出来栄えということになるわけです。

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