順張りと逆張りは表裏一体 [システムトレード]
順張りシステムと逆張りシステムは、全く正反対のシステムです。しかしその一方で、両者は表裏一体の関係にもあります。
以前のコラムでも何度か触れたことはありますが、今回は、この命題に対する最近の私の考えについて述べたいと思います。
私が本格的にトレーディングシステムの開発を始めた当初、順張りシステムの概念は非常に明確で、理解しやすいものでした。
それは、「相場は予測できない」という前提に立ち、トレンドの変化をいち早くキャッチして、その時点で有利なポジションを採るというものでした。
すなわち、相場がこれから動く方向を予測して、それに先んじてポジションを採るのではなく、あくまで相場が動いたことを確認してから、その方向にポジションを採るというものです。
この定義からも明らかなように、この方法に立てば、相場を予測するなどということは不要であることが分かります。
その一方、逆張りシステムについては、なぜそれが機能するのか分かりませんでした。しかし、それは実際に機能しますし、性能が順張りシステムを上回る事例も多々あります。
順張りシステムと同様に考えると、逆張りシステムは予め相場が動く方向にポジションを採るということになります。すなわち、相場を予測しているわけです。
これは明らかに、「相場は予測できない」という大前提に反します。はたして本当のところはどうなのでしょう？
よく言われるのは、「株価推移には中心極限定理が働く」というものです。
すなわち、株価推移の分布は正規分布であるとすると、平均から外れた株価が存在する割合は、平均に近い株価が存在する割合より小さい、というわけです。
言い換えれば、十分長い時間軸を考えた時に、それまでの平均株価から大きく外れた株価は、平均側に戻ってくる可能性が高い、ということになります。
大雑把に言えば、このような理屈が、逆張りシステムが機能する要因ということになります。もちろん、株価推移の分布は厳密には正規分布にはなりませんし、株価が一方向に大きく動いたまま、長期に渡って戻って来ない事例は多々あります。
しかし、局所的に見た場合には、株価が下げすぎたり上げすぎたりした場合に、一時的に元の方向に戻ろうとする事例は、よく目にするようにも思えます。
とどのつまり、逆張りシステムが機能する理由は、このように考えられているわけです。
このように、順張りシステムと逆張りシステムとは、その動作原理も出所もまったく異なっているように見えます。
しかし、両者には極めて緊密な関係が存在するのです。
ＫＦシステムクリエイターをご利用の方ならご存知でしょうが、その中の順張りシステムと逆張り2システムとは、実は全く同一のシステムです。
順張りシステムの買いと売りとを逆にして、パラメータを再最適化したものが、逆張り2システムということになります。
こう言うと、逆張り2システムは順張りシステムの一種だと思われるかもしれませんが、その振る舞いは正真正銘逆張りです。
すなわち、例えば株価が大きく下げた時に買い、反発したら売り抜けます。
通常、順張りシステムには時間軸パラメータが存在しますが、その最適パラメータは比較的長周期の場合が多くなります。
すなわち、最適化対象指標がプラスのピークとなる時間軸パラメータが、長周期側にあるわけです。
そして、それよりも短周期側に、最適化対象指標がマイナスのピークになる時間軸パラメータが存在する場合があります。
それが、逆張り2システムの最適（時間軸）パラメータということになります。
さて、この事例を少し掘り下げて考えてみると、このシステムには2つの最適な周波数成分が存在する、ということが言えます。
それらは、周期が異なり、振幅の方向が反対のシステムであるとも考えられます。
数式で模式的に表すと、次式のようになります。
f＝A･sin(ωt)－B･sin(φt) （A＞0，B＞0）
実は、最適な周波数は、これら2つに限定されるわけではありません。他にも、最適化対象指標の値が「比較的」大きくなる周期が存在するかもしれません。
それらを上式に継ぎ足していくと、このシステムの合成出力fは、異なった振幅と周期を持つ複数の正弦波の合成で表すことができます。
これはどこかで見たことがありますね。数学に詳しい方ならば、それがフーリエ変換の数式に似ていることが分かるでしょう。
あるいは、ロケット工学投資法を思い起こすかもしれません（私は詳しくは知りませんが）。
こうして得られる合成出力fは、より多くの周波数に対して最適な出力を得ることができるため、システムの資産カーブを安定させる働きがあります。
同一銘柄の複数システムを合成すると、元システムよりも性能が向上する場合が見られますが、その理由の一端は、こんなところにあるのかもしれません。
以前のコラムでも何度か触れたことはありますが、今回は、この命題に対する最近の私の考えについて述べたいと思います。
私が本格的にトレーディングシステムの開発を始めた当初、順張りシステムの概念は非常に明確で、理解しやすいものでした。
それは、「相場は予測できない」という前提に立ち、トレンドの変化をいち早くキャッチして、その時点で有利なポジションを採るというものでした。
すなわち、相場がこれから動く方向を予測して、それに先んじてポジションを採るのではなく、あくまで相場が動いたことを確認してから、その方向にポジションを採るというものです。
この定義からも明らかなように、この方法に立てば、相場を予測するなどということは不要であることが分かります。
その一方、逆張りシステムについては、なぜそれが機能するのか分かりませんでした。しかし、それは実際に機能しますし、性能が順張りシステムを上回る事例も多々あります。
順張りシステムと同様に考えると、逆張りシステムは予め相場が動く方向にポジションを採るということになります。すなわち、相場を予測しているわけです。
これは明らかに、「相場は予測できない」という大前提に反します。はたして本当のところはどうなのでしょう？
よく言われるのは、「株価推移には中心極限定理が働く」というものです。
すなわち、株価推移の分布は正規分布であるとすると、平均から外れた株価が存在する割合は、平均に近い株価が存在する割合より小さい、というわけです。
言い換えれば、十分長い時間軸を考えた時に、それまでの平均株価から大きく外れた株価は、平均側に戻ってくる可能性が高い、ということになります。
大雑把に言えば、このような理屈が、逆張りシステムが機能する要因ということになります。もちろん、株価推移の分布は厳密には正規分布にはなりませんし、株価が一方向に大きく動いたまま、長期に渡って戻って来ない事例は多々あります。
しかし、局所的に見た場合には、株価が下げすぎたり上げすぎたりした場合に、一時的に元の方向に戻ろうとする事例は、よく目にするようにも思えます。
とどのつまり、逆張りシステムが機能する理由は、このように考えられているわけです。
このように、順張りシステムと逆張りシステムとは、その動作原理も出所もまったく異なっているように見えます。
しかし、両者には極めて緊密な関係が存在するのです。
ＫＦシステムクリエイターをご利用の方ならご存知でしょうが、その中の順張りシステムと逆張り2システムとは、実は全く同一のシステムです。
順張りシステムの買いと売りとを逆にして、パラメータを再最適化したものが、逆張り2システムということになります。
こう言うと、逆張り2システムは順張りシステムの一種だと思われるかもしれませんが、その振る舞いは正真正銘逆張りです。
すなわち、例えば株価が大きく下げた時に買い、反発したら売り抜けます。
通常、順張りシステムには時間軸パラメータが存在しますが、その最適パラメータは比較的長周期の場合が多くなります。
すなわち、最適化対象指標がプラスのピークとなる時間軸パラメータが、長周期側にあるわけです。
そして、それよりも短周期側に、最適化対象指標がマイナスのピークになる時間軸パラメータが存在する場合があります。
それが、逆張り2システムの最適（時間軸）パラメータということになります。
さて、この事例を少し掘り下げて考えてみると、このシステムには2つの最適な周波数成分が存在する、ということが言えます。
それらは、周期が異なり、振幅の方向が反対のシステムであるとも考えられます。
数式で模式的に表すと、次式のようになります。
f＝A･sin(ωt)－B･sin(φt) （A＞0，B＞0）
実は、最適な周波数は、これら2つに限定されるわけではありません。他にも、最適化対象指標の値が「比較的」大きくなる周期が存在するかもしれません。
それらを上式に継ぎ足していくと、このシステムの合成出力fは、異なった振幅と周期を持つ複数の正弦波の合成で表すことができます。
これはどこかで見たことがありますね。数学に詳しい方ならば、それがフーリエ変換の数式に似ていることが分かるでしょう。
あるいは、ロケット工学投資法を思い起こすかもしれません（私は詳しくは知りませんが）。
こうして得られる合成出力fは、より多くの周波数に対して最適な出力を得ることができるため、システムの資産カーブを安定させる働きがあります。
同一銘柄の複数システムを合成すると、元システムよりも性能が向上する場合が見られますが、その理由の一端は、こんなところにあるのかもしれません。
コメント 0