SSブログ

理想と現実のギャップ [システムトレード]

システムトレードを実践するに当って、システムが示す資産カーブと実際の資産カーブとが一致することは、大抵の場合極めて稀です。
その理由は、手数料や信用金利、レバレッジの有無、スリッページ、ストップ高安時の処理等も考えられますが、最も大きな要因は取引単位の相違にあると考えます。

通常のシステムでは、単株単位の資産カーブを出力します。これは、1株単位で売買を行なった場合の損益を累計したもので、最も直感的な結果となります。
変化の幅が株価推移と1対1で対応しているため、システムそのものの性能を判断しやすいという利点があります。

良好なシステムにおけるこの資産カーブは、株価水準がさほど変わらなければ、極めて直線性の高い推移を示します。
その反面、株価水準が大きく異なる時期があると、直線性が著しく損なわれてしまいます。

ただ、実際に固定株数で運用することは稀でしょうし、特に株価水準が大きく変化した場合などは、それ以前の株数での売買を維持することは難しいでしょう。
例えば、株価が10分の1になってしまった場合、運用株数を変えなければその後の損益も10分の1になってしまいます。すなわち、当初想定したリターンが得られないということになります。

そうすると、次に考えられるのは、単利運用や複利運用で売買を行なう、ということです。実はこの場合に、取引単位の相違が生じます。
単利運用や複利運用の資産カーブを求めること自体は、そんなに難しいことではありません。しかし、それはあくまで取引単位を考慮しない場合です。

すなわち、最初に運用資金があり、それをきっちり使い切るだけの株数を売買することを想定するわけです。
それはもちろん、必ずしも取引単位の倍数にはなりません。ほとんどのトレードで、計算上は端数株数の売買を行なうことになります。

もちろん、計算は複雑になりますが、取引単位の倍数でのみ売買を行なうようなシステムを設計することは可能です。
しかしその場合、運用資金によってシステム性能が異なってしまうという重大な問題が生じます。

私は、システムトレードには完全な再現性が必要だと考えます。あるシステムがあったら、誰がそのシステムを運用しても、売買シグナルが出るタイミングは同じでなければなりません。
運用する人によって、資金規模も異なりますし、証券会社(手数料)も異なります。すなわち、それらの情報をシステム設計時に用いてはいけない、ということです。

それらの情報は、実際に運用を始めた後で付加すればいいことです。もちろん、システム設計時にそれらをある程度考慮することは必要ですが、それはあくまで最適化などが完了した時点で、最終的な運用の前に行なうべきことです。

では、システムの示す資産カーブと実際の運用における資産カーブとを一致させることは、不可能なのでしょうか?
そんなことはありません。なぜなら、これはあくまでシステム設計が完了して、実運用に入った後の話だからです。

すなわち、運用開始後の資産カーブを別に用意し、その中で運用資金や取引単位、手数料などを設定してやれば良いわけです。
また、売買時における建玉数も運用開始後の話ですから、基本的には実運用時の建玉数と連動させることができます。

このようにすることで、システムと実運用との資産カーブを近付けることが可能となります。そのことの効用は述べるまでもありません。
そこまで可能なトレーディングシステムは、どれくらいあるのでしょう?もちろん、KFシステムクリエイターが可能であることは、言うまでもありません。


PS.来年4月の第一生命の株式会社移行に伴い、ウチにも株式の割り当てがありました。当然、株式での受け取りを選択しましたが、はたしてどれくらいの株価になることでしょう。
噂では1株15万円前後ということですが、問題はその後ですね。倍くらいになってくれると嬉しいのですが、時価総額が大きいだけにそれは難しそうです。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。