定額給付金と地域振興券の経済効果

先日のコラムで、10%のプレミアムが付いた地域振興券を購入したことを述べました。定額給付金の経済効果については、私自身はあまり感じませんでしたが、地域振興券については案外と有効かもしれないと思い始めています。

もちろん、これは完全に我家の事情に基づいた判断ですので、一般的に当てはまるかどうかは分かりません。
判断基準は、あくまで我家の家計支出が増えたかどうかであり、通常よりも支出が増えれば経済効果があったということになります。

まず、定額給付金についてですが、こちらは給付の時期と納税の時期が重なってしまったため、銀行で給付金を引き出して、それをほぼそのまま銀行の窓口で払い込みました。
したがって、結果的には定額給付金で何か特別なものを購入したという意識はなく、少なくとも給付金がなければ買わなかっただろうというものを買うことはありませんでした。

以前のコラムで、定額給付金を当て込んでジャンクのミニコンポを購入したと述べたことはありますが、あれは冗談めかして述べただけであり、給付金が出なくてもたぶん購入していただろうと思います。

ある老夫婦は、2人で4万円の給付があったわけですが、嫁から聞いた話によると、銀行で給付金を下ろした後、そのまま窓口で自動車税（34,500円）を払ったそうです。
国からお金をもらって、それを国に払っているのですから、変な話です。まあ、そういう我家も同じですが。

何にしても、今回の定額給付金に関しては、支給タイミングが最悪だったように思います。せめて昨年末に支給されていれば、税金に消えていくことはなかったのではないでしょうか？
消費させるための制度なのですから、給付時期をボーナス商戦に合わせるなどの一工夫があってもよかったのではないかと考えます。

さて、一方の地域振興券ですが、これは当然のことながら使える範囲が限定され、なおかつ、換金することはできません。
地域振興券で買い物をする場合は、お釣りを貰うことができないため、端数分は現金で支払う必要があります。

すると、人間妙なもので、できるだけ端数が出ないように買い物をしようとする気持ちが生じます。そのため、例えば購入金額が2千円に少し足りないような場合、取り立てて必要ではないものを購入してまで、金額が2千円を少し超えるくらいにしてしまいます。

すなわち、追加で購入した商品に関しては、地域振興券がなければ恐らく買うことはなかっただろうと思われます。
この分が、正に経済効果となって消費を押し上げるわけです。

また、我家のような貧乏一家は、制限枠一杯に地域振興券を購入してしまったことにより、相対的に買い物に使える現金が少なくなってしまいます。
そうすると、何が何でも地域振興券を有効に使う必要が生じてしまいます。

その気持ちもあって、上述したように余計なものまで購入するという行動に走ってしまうと考えています。
今日、カッパ寿司に行って優待券で食事をしてきたのですが、こちらも全く同じです。嫁と二人で丁度23皿を食べれば、優待券4枚と小銭で済むため、無理をしてでも23皿を食べてしまいます。

まったく無作為に買い物をした場合、端数金額が500円以上になる確率は50%ですが、その時の何回かに一回は、無理をしてでも余計なものを買ってしまうかもしれません。
そう考えると、10%のプレミアム以上の経済効果が生じるのかもしれません。

地域振興券や株主優待券以外にも、例えば付加単位が大きいポイントカードなども、消費を拡大させる効果があると思われます。
嫁がいつも利用している薬局は、200円毎にポイントが付くのですが、端数が200円にあと少し足りない場合、やはり余分なものを買ってしまうようです。

それでは、例えば1,000円毎にポイントを付けるようにすればいいのではないかと思われるかもしれませんが、嫁の話では、そのような店ではそもそも買い物をしない、とのことです。
人によりけりだとは思いますが、200円毎にポイント付与というのは、なかなか良い所を突いているような気がします。

地域振興券は、10%のプレミアムと引き換えに、利用者に不便を強いています。私たちはその不便さを考えずに、10%のプレミアムの方にばかり目が行ってしまいがちですが、うっかりすると思わぬ散財をしてしまうかもしれません。

それこそが、発行者側の狙いなのでしょうが、まあ消費拡大のためと思えば、その狙いにあえて引っ掛かることもまた良いのではないかと思います。
日本経済には好転の兆しが見えてきているといった話も聞きますが、果たしてどうなることでしょう。

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