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うねり取りシステムの実例 [システムトレード]

昨日ご紹介したうねり取りシステムですが、実はKFシステムクリエイターでシミュレートすることができます。
ただし、現状においては若干の手作業が必要となりますので、実行するためにはエクセルの基本的な操作が必要です。

今回、7203トヨタ自動車のうねり取りシステムを実際にテストしてみました。用いたシステムは、KFシステムクリエイターの7つの基準システム、すなわち、順張り、逆張り1、逆張り2、移動平均、ブレイクアウト、RSI1、RSI2の7つです。

これらを、2007年12月28日の時点で最適化してパラメータを固定した後、2008年1月4日から2009年2月24日まで複利運用した結果を合成しました。
その具体的方法を、以下に記します。

まず、新しいブックを作成します。名前は何でも構いません。また、シートのレイアウトも自由です。そのシートのA列に、システム運用期間の日付データを貼り付けます。
続いて、B列以降に、各システムのシステムシートのIQ、IS、そしてIU列のデータを日付を揃えて貼り付けていきます。

ここで、IQ列は買いの時の建て玉数、IS列は売りの時の建て玉数、そしてIU列は(ドテン)運用後損益を示しています。
これらは、作成したブックから参照してもいいのですが、リソース不足エラーが出る可能性が高いため、今回はデータをコピーして貼り付けるだけにしました。

そして、最後の列に、日付毎の各システムの買い建て玉の合計引く売り建て玉の合計を求め、その隣の列に各システムの運用後損益の合計を求めます。
なお、これらの値は、システム数(今回の場合は7)で割っておきます。

これは、初期元本が1円の場合に相当します。すなわち、例えば元本が100万円の場合は、それらの列に1,000,000を掛けてやれば良いわけです。
今回のテストでは、元本を100万円としています。また、売買単位は考慮せず、どんなに細かい単位でも売買できるものとしています。

ちなみに、建て玉数がプラスの場合は買い保有、マイナスの場合は売り保有です。また、建て玉数が変化したタイミングで、その差分だけ売買していることになります。
7つのシステムの合成ですから、売買数はかなりの回数に上りますが、差分の売買であるため、日々の売買数そのものは多くありません。その分、手数料を安く抑えることができます。

その結果を下図に示します。なお、分かりやすいように、株価推移を合わせて示しています。これは、株式を2008年1月4日の寄付きで100万円分購入した場合の、評価額推移ということになります。ちなみに、今回のテストでは手数料は考慮していませんが、もちろん、手数料を考慮したテストも可能です。

また、複利のみならず、単利や単株の場合もテストすることができます。それらの設定は、全て各システム上で行い、その結果を合成すれば良いだけです。
本当であれば、各システムを参照できるようにすればいいのですが、リソースの関係から難しいと思います。ただ、マクロで実行することは可能ですので、機会があれば検討するつもりです。
システムトレード_資産カーブ_7203うねり取り01a.jpg
さて、7203トヨタ自動車のうねり取りシステムの資産カーブを見ますと、株価推移と比べて安定した推移となっていることが分かります。
最初の半年ほどはドローダウン期間となっていますが、ドローダウンの大きさは10%強に留まっています。そして、その後は資産が徐々に増加に転じています。

建て玉数の推移を見ますと、株価が下落していることからも想像できますように、多くの期間で売り建てとなっています。
また、その絶対値も、売り建ての方が圧倒的に大きくなっています。

2008年10月の株価急落時には、再びドローダウンに見舞われていますが、10%程度に留まり大きな被害にはなっていません。これは、その時点で買い優勢とはなっていたものの、その建て玉数が小さかったからに他なりません。
程なくしてドローダウンから回復すると、その後は資産増加のペースを早めています。

今回は、システムを選別せずに、7つの基準システム全てを用いましたが、当然、それらの中には、良いシステムもあれば良くないシステムもあります。
例えば、2009年2月24日時点において、逆張り2およびRSI2システムでは、資産は2倍以上に増加していますが、RSI1システムでは6割ほどにまで落込んでいます。

また、順張りシステムと移動平均システムは、資産額にほとんど変化はありません。さらには、ブレイクアウトシステムは、テスト期間中は売買がなく、売り保有が続いていました。
これらのまちまちなシステムを合成した結果、個別システムよりもバラツキ、すなわちリスクが小さいシステムが得られたわけです。

さて、RSI1システムでは散々な結果になっているのですが、何故かこのシステムは全体にあまり影響していないように見えます。
また、直近の3ヶ月ほどは、株価がほとんど変化していないように見えますが、資産カーブは大きく上昇しています。

この原因は、各システムを複利運用していることにあります。すなわち、調子の良いシステムはより多くの株数を売買し、調子の悪いシステムは少ない株数しか売買しないわけです。
そのため、個別システムの成績に比例した重み付けが、うねり取りシステムにおいて自然に行われていることになります。

このことが、システム全体に好循環をもたらしているものと考えられます。調子の良いシステムは残り、悪いシステムは淘汰されていく、といったフィードバックが自然に行なわれることが、うねり取りシステムの最大のメリットかもしれません。

なお、実際の運用に当たっては、売買単位を考慮する必要があります。その場合、建て玉数を四捨五入とするのか、切捨てとするのかで結果は異なってきますが、通常はある程度以上の運用資金が必要となります。

合成前の各システムで運用可能な資金量を合計すると、最低でも運用開始時で(今回の例で)7単位、すなわち700株の売買が可能な金額が必要となります。
しかし、システム上で先に合成処理を行い、その結果に基づいて売買を行なうのであれば、100万円程度でも運用できないことはありません。

もしも四捨五入ルールを適用するのであれば、ここ1年強で何度か買い建ての機会はありましたし、売り玉の積み増しも出来ています。
資産カーブは前出の図と異なるでしょうが、基本的な傾向は違わないのではないかと考えます。これでも、うねり取りの醍醐味を味わうことは出来るのではないかと思うわけです。

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