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単株運用、複利運用、単利運用 [投資・経済全般]

株式をトレードする際、基本的には3つの運用方法があります。それは、単株運用、複利運用、単利運用です。
それぞれの運用方法には長所短所があり、また、運用時の相場環境によって有利不利が生じます。

単株運用は、一定株数を売買し続けるもので、株価推移をダイレクトに反映します。資産の増減幅は、株価の増減幅に比例します。
そのため、資産推移を把握しやすいという長所があります。

一方、株価水準が極端に違ってくると、運用上の問題が生じてきます。株価が大きく上昇した場合は、それに伴い投資資金が増大します。
それまでの運用で、株価上昇以上の資産上昇があればいいのですが、そうでない場合は、運用資金を補填する必要が生じます。

逆に、株価が大きく下落した場合は、その後の損益幅が小さくなります。株価下落と共に資産もまた減少した場合は、それも致し方ないのですが、株価下落の過程で資産がそれほど減少しないか、逆に増大した場合は、単株運用は物足りないものになってしまいます。

そのような場合、単株運用を一旦リセットして、その時点の資産残高と株価とから、再度運用株数を設定する方法があります。
これは、複利運用に近い形態となります。

常に、直近資産残高で買えるだけの株数を買えば、それは純粋な複利運用という事になります。複利運用は、その時々の資産残高に応じて売買を続けていくわけですから、もっとも資金効率が高い運用方法という事になります。

また、売買の度に運用資金を入出金する必要がありませんから、運用そのものは非常に簡単になります。
さらには、利益が上がっていく時は、資産が急激に増加していくという長所があります。

その一方で、連勝後の損失額が大きくなってしまうという問題があります。これは、負ける直前までに資産が膨れ上がり、その金額を目一杯使って玉を建てるため、どうしても損失の絶対額は大きくなってしまいます。

そのため、連勝後は建て玉数を抑えるなどの建て玉法も考案されていますが、科学的な根拠には乏しいように思います。
あくまで、経験上、あるいはシミュレーション上の優位性しかないと考えます。

単利運用は、単株運用と複利運用の中間的な運用方法ですが、昨今の下降相場ではこれが最も良く機能しているように思います。
単利運用は、運用資金を固定して売買を続けていく方法です。そのため、株価が上昇すれば売買株数は少なくなり、株価が下落すれば多くなります。

これと似たようなことを、どこかで見たことがあります。そう、これはドルコスト平均法に他なりません。ドルコスト平均法が統計的に有利であるならば、単利運用も有利ということになります。
しかし、単利運用には複利運用ほどの爆発力はありません。また、売買の度に運用資金を入出金する(それと等価になるように管理する)必要があります。

実際に、いくつかのシステムで確認してみますと、ここ1年の相場では単利運用がもっとも運用損益が大きい傾向があります。
これは、株価推移のボラティリティが大きいためと考えられます。

株価のボラティリティが増大すれば、勢い、資産推移のボラティリティも増大します。そのため、その標準偏差は、平時より大きくなるでしょう。
標準偏差が増大すると、複利運用よりも単利運用のほうが有利になることは、かなり以前のコラムでお話したかと思います。最近は、まさにそのような状況が生じているものと考えます。

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コメント 1

Kフロー

何を勘違いしたか、ドルコスト平均法をダウ平均法と書いていました。本文を訂正させていただきましたので、ご確認ください。

by Kフロー (2009-01-22 08:54) 

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