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単株・単利・複利基準資産カーブ [システムトレード]

10月23日のコラムで、資産カーブには大きく3種類あることを述べました。それらを単株基準資産カーブ、単利基準資産カーブ、複利基準資産カーブと呼ぶことにします。
これらの中で、最も一般的に用いられるのは単株基準資産カーブであり、KFシステムクリエイターもこの資産カーブに基づいて最適パラメータを決定しています。

また、複利基準資産カーブは、主にドローダウンを求める際に利用します。この資産カーブの直近ピークからの下落率が、直近のドローダウンとなります。
単株基準資産カーブ上ではあまり大きな下落に見えなくても、複利基準資産カーブで見ると、驚くほど大きな下落となっている場合がありますので、注意が必要です。

そして、単利基準資産カーブは、運用資金固定の条件下でトレードを続けた場合の資産カーブであり、通常は、運用資金を100%としたパーセント表示となります。
株価の変動が少ない場合は、短株基準資産カーブとさほど違わない推移を示しますが、株価が何10倍にも変化した期間がある場合などは、かなり異なった推移となります。

以下に、トヨタ自動車およびヤフーの各資産カーブを示します。上から順に、トヨタ自動車の単株基準資産カーブ、単利基準資産カーブ、複利基準資産カーブ、ヤフーの単株基準資産カーブ、単利基準資産カーブ、複利基準資産カーブとなります。
システムトレード_資産カーブ_7203_324a01単株01a.JPG
システムトレード_資産カーブ_7203_324a01単利01a.JPG
システムトレード_資産カーブ_7203_324a01複利01a.JPG
システムトレード_資産カーブ_4689_324a01単株01a.JPG
システムトレード_資産カーブ_4689_324a01単利01a.JPG
システムトレード_資産カーブ_4689_324a01複利01a.JPG
なお、当然のことですが、トヨタ自動車およびヤフーの各3種類の資産カーブが得られる条件は、それぞれの銘柄内で同一です。
それを、単株、単利、複利という異なった側面から見ているわけです。

トヨタ自動車の場合、単株基準資産カーブと単利基準資産カーブに大きな違いは見られません。ただ、単株基準資産カーブに対して単利基準資産カーブでは、1997年以前の比率が大きく、2006年以降の比率が小さくなっています。

これは、1997年以前では株価水準が低く、2006年以降では高くなっていることが理由です。ちなみに、この程度の違いであれば、どちらの構成要素を最適化対象に選んでも、得られる最適パラメータに大きな違いは生じません。

一方、ヤフーの場合では、単株基準資産カーブと単利基準資産カーブとに大きな違いが見られます。これは、株価の増減が極めて大きいため、値幅と増減率との差異が著しいことによります。
両者はいずれも階段状の推移となっていますが、急騰の時期が1年ほどずれていることが、興味深いところです。

それぞれを基準にして最適パラメータを決定すると、トヨタ自動車の場合とは違って、両者では値が異なります。
それは、資産カーブの形状があまりに違うことからも納得できます。

この場合では、単株基準資産カーブの方が直線性が高く、この基準で最適パラメータを決定した方が、安定したシステムになると考えられます。
これはもちろん、銘柄やシステムが違ってくれば異なった結果となります。

最後に、複利基準資産カーブですが、トヨタ自動車およびヤフー共に、非常に変動率の大きなものとなっています。
資産が増えるのも速いですが、減るのも速いことが分かります。3つの資産カーブを比べるだけで、複利運用の魅力と怖さが分かるのではないでしょうか。

現在、KFシステムクリエイターに単利基準資産カーブを導入することを検討中ですが、ただ単にその機能を追加するだけですと、処理速度が15%近く増加してしまいます。
速度低下はどうしても避けたいため、最適化演算に必要のないセルの計算を行なわないようにすることで、処理時間の大幅向上を目指しています。

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