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7550ゼンショーの運用を検討する(1) [システムトレード]

このところの株安のおかげで、配当利回りや優待利回りが上昇している銘柄が見られます。昨日のコラム等でも触れましたように、現物株を保有した状態で、システムに売りシグナルが出た時に、保有株と同数の売り建てを行なえば買いシステム、保有株の2倍の数の売り建てを行えばドテンシステムとして、システムトレードを行なうことができます。

買いシステムの場合は、つなぎ売りをシステムとして行うことに他なりません。裁量でつなぎ売りを行う場合、それを外すタイミングをつかむことが難しいのですが、システムトレードならば、システムの指示に従って機械的に実行できるわけです。

また、ドテンシステムの場合は、売り建て数を保有株数の2倍にすることで、株価の下落局面でも保有株を手放すことなく、積極的に利益を狙いに行くことができます。
システムが買いと売りとで完全に対称で、ドテンシステムがそれらの合成システムである場合、「買いの資産推移+2×売りの資産推移=売りの資産推移」となるわけです。

もしも権利確定日において、システムが買いHOLD中であれば、売り建ては行なわれないわけですから、そのまま普通に配当と優待の権利が得られます。

一方、権利確定日が売り建て中の場合は、後日、配当+α相当金額を支払う必要がありますが、理論的には、配当調整による株価下落分で、配当相当分を先取りできるものと考えられます。
その場合でも、もちろん保有分の配当と優待はもらえますので、損失が生じる可能性は少ないように思います。ただし、高額な逆日歩が生じる場合もあるため、注意が必要です。

さて、現物株を長期保有しつつシステムトレードを行なうというスタンスに立つと、どうせなら、配当や優待の利回りが高い銘柄を売買したくなります。
そこで、そのような方法が上手く機能するのかどうか、7550ゼンショーで検討を行ないました。

ゼンショーはご存知の通り、牛丼チェーン「すき家」を運営する会社であり、私の住む街にも数件あることから、優待は結構魅力的です。
先日、久し振りにすき家に行ってみましたが、メニューも豊富であり、たまに食べに行くのも有りかなと感じました。

現時点において、3,000円分の食事券が年2回もらえるわけですから、優待利回りは今日の終値(417円)換算で14.4%にもなります。
年間配当の1,200円(100株)を加えれば、合計利回りは17.3%まで上昇します。もちろん、これらの配当や優待が今後も続くかどうかは分かりません。

そんなわけで、早速、システム自動作成マクロを用いて7種類の基準システムを作成し、性能一覧マクロでそれらのシステム性能を比較しました。

なお、今回、追加システムを作成しなかったのは、機能するシステムの基本は基準システムであることが明確になってきたからであり、まずは基準システムを絞り込んだ上で、そのシステムに追加システムを適用してみることにいたしました。

これにより、総システム数を大幅に削減できます。もちろん、優れたシステムを取りこぼしてしまう可能性もあるわけですが、それは割り切ることとします。
システム寿命の観点からは、基準システムが安定的に機能するシステムでないと、追加システムの適用でいくら性能が向上しても、それが機能し続けることは難しくなります。

そのようにして、順張り、逆張り1および2、移動平均、ブレイクアウト、RSI1および2の7つのドテンシステムの中から、年率リターンが最も高かった順張りシステムを選択しました。
このシステムの年率リターンは、1999年9月10日~2008年9月30日のテスト期間で、73.8%にもなります。ただし、それにはからくりがあるのですが、それは後述します。

こうして、運用候補となる基準システムを決定したわけですが、そのシステムが機能し続けるかどうかを見極めないといけません。
そこで、フォワードテストを行なうわけですが、1年毎に最適化を行なうのも大変ですので、2006年12月29日の時点で最適化を行い、直近の結果と比較することにしました。

その結果は、よろしくないものでした。2006年末時点の最適化による最適パラメータは、直近の最適パラメータとは異なったものであり、そのパラメータを用いて現在まで運用を行なったとすると、2割近い損失や50%以上のドローダウンに見舞われることが分かりました。

実は、ゼンショーは2005年に株価が急騰し、その影響で、2005年末に資産カーブが階段状に変化しています(直近で最適化した場合)。
その様子を次図に示しますが、2006年末で最適化を行った場合、その影響を強く受けてしまうわけです。
システムトレード_資産カーブ_7550_32a01_01b.JPG
しかし、これはKFインデックスにフィルタを適用した場合であり、フィルタを掛けない場合は、階段状変化の影響を受けにくくなります。
そこで、フィルタを外して最適化を行なったところ、直近と2006年末において、最適パラメータは見事に一致いたしました。

当然、2007年以降の資産カーブは上昇となり、このシステムが現在も機能している可能性が高いことが分かりました。
しかし、それだけではまだ結論を出すことはできません。同条件で、より詳細にフォワードテストを行なうと共に、追加システムも検討する必要があります。

更には、そのようにして最終的に決定されたシステムが、手数料等を考慮しても実運用に耐えるのかを検討しなければなりません。
一つのシステムの運用可否を決定するのに、これだけの検討が必要なのですが、一応の結論が出るまでに半日ほどで済みました。

この続きは、明日のコラムで述べたいと思います。

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