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資産カーブにおけるバラツキのヒストグラム [システムトレード]

先週のシステム寿命の考察において、資産カーブのバラツキが回帰直線の周囲で正規分布となっていることを前提に、話を進めてきました。
しかし、その前提は本当に成り立っているのでしょうか?それを確かめるためには、実際に資産カーブのバラツキのヒストグラム(度数分布)を調べる必要があります。

そこで、それらのヒストグラムを求めるエクセルシートを作成し、実際に確認してみました。なお、そのワークシートは、研究所サイトにて公開中です。
8月末までは無償にてダウンロードできますので、興味のある方はご利用ください。

結論から申し上げますと、資産カーブのバラツキがほぼ正規分布しているものもあれば、全くばらばらのものもある、ということです。
また、分布を求める期間によっても、結果に差が生じます。

以下に、比較的綺麗な分布が得られたシステム事例を示します。また、比較用に、その期間の株価のヒストグラムも合わせて示します。
さらに、実際の資産カーブや株価推移とそれらの回帰直線、および偏差を示します。
システムトレード_資産カーブ_7203HGドテン01b.JPG
システムトレード_ヒストグラム_7203HGドテン02b.JPG
システムトレード_資産カーブ_7203HG株価01b.JPG
システムトレード_ヒストグラム_7203HG株価02b.JPG
これは、トヨタの逆張りシステムの結果ですが、現時点ではこのシステムは運用していません。株価の偏差は最近の方が大きくなっていますが、資産カーブの偏差は2000年以前の方が大きくなっています。これは、最適化の影響であり、経済学的に何らかの意味があるわけではありません。

また、本例では値動きで評価しましたが、株価水準の変化によって、偏差に影響が生じる可能性があります。株価の偏差が近年増加しているのは、そのような影響があるからかもしれません。
また、株価は基本的に複利で推移しますので、単利での推移である資産カーブとの直接的な比較は難しいかもしれません。

いずれにしても、更に多くの事例を検討した上でないと、結論は見出せないでしょう。ただ、少なくとも、これから運用しようとしているシステムが、どのようなヒストグラムを示すのかが、運用を行うかどうかの重要な判断材料の一つになることは、間違いないものと考えます。

今回はこの程度といたしますが、本件については、引き続き検討を行なっていくつもりです。新たな知見が得られましたら、ご報告したいと思います。

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