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株価予測とシステムトレード [システムトレード]

先週までの下降トレンドはすっかり鳴りを潜め、今週は大幅に反発する推移が続いています。その発端はNY市場や原油先物市場なのでしょうが、これは偶然でしょうか?必然でしょうか?
後からならば何とでも言えるのでしょうが、今現在においては正確なところは分かりません。

先週末のトレンド予報は大外れとなりましたが、外れた方向に素早く追従していれば、良いポジションを取ることができたかもしれません。
ただ、今年は短期的な転換が多く、トレンドが長続きしないために、利益確定のタイミングが極めて難しいのではないかと思います。

システムトレードに限らず、株式トレードを行なうに当たり、相場の方向性を予測し、その方向に追従する手法を用いている方は多いのではないでしょうか。
よく言われるのは、その方向が間違いだと分かったら、躊躇なく損切りを行なうべきだということです。

中には、予測の精度を高めるために、様々なテクニカル指標を駆使している方もいらっしゃるかもしれません。
あるいは、統計解析を用いて、様々な分析を行なっている方もいらっしゃるでしょう。

しかし、どんなに予測精度を高めたところで、突発的な材料一つでその予測は消し飛んでしまいます。
あるいは、それは一時的なもので、中長期的には予測は的中すると思われるかもしれません。

それは的中する場合もあるでしょうし、的中しない場合もあるでしょう。その予測が的中したかどうかを判断するには、どれくらいの時間が経過したかという客観的な指標が必要であり、時間軸が事前に決められていなければ、後から何とでも言える事になります。

では、時間軸はどのように決めるかというと、多くの場合はその後の相場の推移を見守りながら、ということになるでしょう。
結局、予測と言う言葉を用いる限り、その体系はあやふやなものにならざるを得ません。

ご存知の通り、個別株式は日々何らかの材料が出ますから、予測という手法には本来まったく馴染まないものです。
したがって、個別株式はシステムトレードには向かない、という結論を主張する方もいらっしゃいます。

しかし、前々から申し上げていますように、そもそも予測を必要としないシステムトレードも存在します。
それは、電気回路におけるフィードバック回路と同じ考えに基づいています。

資産カーブという出力を、株価(売買)という入力にフィードバックし続けることで、資産カーブの傾きが概ねプラスの間は買いを保持、資産カーブの傾きがマイナスに転じてきたら売りに転換、という、まったくシンプルなトレードを行なうことができます。

そこには、予測は必要ありません。また、材料が多かろうが少なかろうが、個別株式であろうがなかろうが、本質的には関係ありません。
ただ、フィードバックを掛ける強さとタイミングをどのように設定するかというだけの話です。

その部分には、予測的な要素が含まれるのかもしれませんが、意味合いは全く異なります。石油ファンヒーターの温度制御が、現在の室温に反応しているだけであり、けして30分後の室温を予測しているわけではない(高級機の場合は予測制御を行なっているかもしれません)、という現実と同じことなのです。

株価の予測はできないけれども、それまでと異なった状況に変化したことを感知し、方向転換を図ることは可能なわけです。
ちなみに、この考え方は、次の書籍でも述べられています。

考える技術としての統計学―生活・ビジネス・投資に生かす (NHKブックス 1101)

考える技術としての統計学―生活・ビジネス・投資に生かす (NHKブックス 1101)

  • 作者: 飯田 泰之
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2007/12
  • メディア: 単行本


本書は、統計学を平易な言葉で解説しており、特に回帰分析や時系列分析の項目は、システムトレードを行なう者にとって大いに参考になります。
システムトレードに関心のある方は、是非ご一読されることをお勧めします。

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