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トレーディングシステムの最適レバレッジ(番外編) [システムトレード]

2008年4月16日のコラムで、レバレッジなしとレバレッジ2倍とで、それぞれ10回の仮想トレードを行った場合の最終損益について考察しました。
その結果、トレード毎損益率がレバレッジなしで次のようになった場合、100万円の内20万円を初期投資費用としたとして、それぞれの最終資金残高を求めました。

  トレード毎損益率:+30%,+20%,+30%,-10%,-10%,+10%,+50%,
             +30%,-20%,+10%

資金残高は、レバレッジなしで142万円、レバレッジ2倍で153万円という結果が得られました。計算の詳細につきましては、同コラムをご参照ください。

さて、上記の議論では、レバレッジは1倍より大きいものとし、その1例として2倍を選択したわけですが、現実には、1倍を下回るレバレッジも考えることができます。
そこで、今回はレバレッジ0.5倍の場合について考えてみたいと思います。

先回と同じ条件で、レバレッジを0.5倍にすると、トレード毎損益率は次のようになります。

  トレード毎損益率:+15%,+10%,+15%,-5%,-5%,+5%,+25%,
             +15%,-10%,+5%

このトレードによる最終資金残高は、以下の通りです。

  (1+0.15)(1+0.1)・・・・・・(1+0.05)*40万円+60万円=135万円

当然のことではありますが、レバレッジなしの場合よりも資金残高は少なくなっています。

レバレッジ0.5倍ということは、最初に初期資金の半分でトレードし、その損益を初期資金に加えた額を投資元本として、その半分を次のトレードに投入し、その損益を投資元本に加えてその半分をトレードし、・・・・・・ということを行うわけです。

すなわち、前式では40万円を拘束されているかのようになっていますが、実際に拘束される額は40万円にレバレッジを掛けた20万円ということです。
初回トレードにおいては、40万円の15%である6万円の利益となっていますが、これは20万円の30%でもあるわけであり、レバレッジなしなどの場合と違いません。

そのように考えると、レバレッジ0.5倍運用は、トレード毎の損益率が単純に半分になるわけではないということが分かります。
例えば投資元本20万円に対して、単純に損益率が半分になる場合を考えると、そのトレードの最終資金残高は117万円でしかありません。

レバレッジ0.5倍運用というのは、実運用元本に対して2倍の想定元本で運用するということであり、複利運用に係わる損益(累計損益分に掛かる損益)のみが半分になるに過ぎません。
元本部分に係わる損益は、レバレッジをいくらにしようが、基本的には変わらないわけです。

極端な例として、レバレッジ0.1倍の運用を考えますと、100万円に対して0.1倍の運用ですから、実質的には10万円の運用ということになります。
このトレードによる最終資金残高を求めると、次のようになります。

  (1+0.03)(1+0.02)・・・・・・(1+0.01)*100万円+0万円=115万円

一方、10万円を元本だけで運用(すなわち単利運用)した場合を考えますと、その運用損益は14万円になり、元々の資金100万円に加算して114万円になります。
すなわち、レバレッジをどんどん小さくしていくと、それは単利運用に近づいていくということが分かります。

そのように考えますと、レバレッジを調整した運用は、単に利益の極大化を目指すだけではなく、リスクを調整するためにも有効であることが分かります。
1倍未満の低レバレッジ運用は、必ずしも収益を下げるわけではなく、単利運用以上の収益を確保しつつ、過大なリスクを抑えることが可能となるわけです。

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