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トレンド論(1) [投資・経済全般]

日経平均株価はこの2日間で300円も下落し、ついに昨年6月から続くサポートラインにタッチしました。株価がこのラインにタッチするのは、今年の3月以来であり、昨年の6月、7月、11月を含めて今回で5回目となります。

はたして今回も反発してくれるのか、あるいはサポートを割り込んでしまうのか、気になるところではあります。
ただ、気をつけたいのは、1年間も続いているサポートラインだから、今回もそこで反発するだろうという思い込みは危険である、ということです。

株価の動きとは不思議なもので、それはまるで大きな意思を持っているかのように振舞うことがあります。今回の動きも、あたかも参院選に焦点を合わせてきたかのようになってきています。
トレンドとはあくまでも株価の動きの結果であり、株価の動きがトレンドに支配されるわけではありません。

もし、株価がトレンドに支配されているかのように動いているとしたら、それは投資家達があえて意識的に動いているのかもしれません。
今回の参院選に合わせた動きにしても、そのような調整が働いている可能性を否定できません。

前置きが長くなりましたが、今回から何回かに渡って、「トレンド論」と銘打って、私なりのトレンドに対する考え方を述べたいと思います。
今までのコラムの内容と重複する記述があるかもしれませんが、ご容赦ください。

そもそも、トレンドとはどういったものなのでしょうか。辞書によると、「傾向。趨勢。経済変動の長期的動向や、ファッションの動向などをいう。」とあります。
要するに、自然現象や社会現象において、そこに何らかの傾向が見出される時、それをトレンドと呼ぶようです。

これは私なりの解釈になるのですが、まず現象があって、続いてその中にトレンドというものを見出すということになるのでしょう。
トレンドというものが存在して、それによって現象が支配されるということではないのです。

例えば、バネの運動を考えてみましょうか。バネの先に錘を付け、もう一方を手で持っているとします。何もしなければ、バネの張力と錘とが釣り合った所で、錘は静止します。
その状態から、ちょっと錘を下に引っ張って手を離すと、錘は上下に振動します。

その状態で、ゆっくりと横に歩いてみましょう。歩くに従って、バネを持った手を徐々に高くしていきます。
その一連の動きを正面から見ていた人は、どのように感じるでしょうか。

錘が上下に動きながら、全体として上昇しているように見えるでしょう。これは、連続写真を撮ってみれば、より一層はっきりします。
錘の動きだけに注目すれば、それはある限定された範囲の中だけで動いていることが確認できます。

その錘の動きの幅が一定で、バネを持つ人の手の動きがほぼ一定の速さであれば、私たちはその包絡線としてトレンドラインを認識します。
もしも、バネの振幅の大きさが一定でなかったり、バネを持つ人の手の動きがランダムであったなら、そこにはトレンドは見出せないでしょう。

すなわち、私たちがトレンドを認識するためには、ある種の条件が必要である、ということになります。それは、規則正しい振幅と、安定した推移ということになります。
これらのいずれが欠けたとしても、そこにはトレンドは見出せなくなります。

私が、トレンドラインと対になるチャネルラインの存在を重視するのも、そのためです。株価の下値だけを結んだトレンドラインに対して、それと平行なチャネルラインが上手く引けないのであれば、そのトレンドラインの設定は不適切である、ということになります。

トレンドラインとチャネルラインの間で推移する株価を、振動する振り子に例えるならば、その推移の仕方に何らかの法則性があると考えることは自然なことです。
その法則性を解き明かす道具こそ、統計学であると考えていますが、それについては次回以降で触れたいと思います。

さて、バネに吊るされた錘の動きはトレンドに支配されるのではなく、トレンドとはたまたまその包絡線が一定幅の直線上に見える現象であると言えます。
その裏には、バネの張力や錘の重さ、バネを持つ人の手の動きや歩く早さなどが存在しています。

それらが一定の条件を満たした時、そこにあたかもトレンドが存在するかのように見えることになります。
それは、あたかも株価がさまざまな材料で動くことと似ていますが、バネの例とは異なり、その動きはけして一個人がコントロールし得るものではないのです。

今回はこの辺りまでということで、続きはまた次回にお話しますが、不定期連載となることを予めお断りしておきます。
 
 
PS.週末に法事があるために、明日は実家に帰らなくてはなりません。そのため、明日のコラムは休載いたします。今週の投資成績とトレンド予報は、1日遅れとなってしまいますが、週明けの月曜日に報告いたします。参院選の影響が織り込み済みであればいいのですが。


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