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木を見ず森を見ず大地を見る [雑感]

NY市場が低調である。その煽りを受けて東京市場もまた、方向間のない相場が続いている。昨夜のNY市場の大幅反落を受けて、今日の東京市場は大幅ギャップダウンで始まった。
これで6月に入って、SQだった9日を除く全ての立会日でNYダウの前日比と日経平均のギャップとが連動していることになる。これはある意味、驚異的な現象であろう。

さて、日銀の福井総裁の進退が取り沙汰されている今日この頃であるが、庶民感情としては退陣要求、政治経済的には続投要求といった論調が多いのではないだろうか。
「ゼロ金利政策の影で自分だけが膨大な利益を上げている」といった感情論は、一庶民としては理解できるものの、投資の世界に身を置く者としては、福井総裁が退陣した場合に、その後の経済界や株式市場に与える影響の方が気になるものだ。

私個人としては、福井総裁が資産を運用して大きな利益を上げたことよりも、毎年の収入の中に775万円もの年金が含まれていることの方が驚きであった。
年金だけで775万円である。我々が普通に働いても、得ることが難しい金額である。

我々は年金がもらえる年齢になっても、その時に定期収入があれば、収入額に応じて年金支給額は大きく減額される。少しでも良い暮らしをしようと老体に鞭打って働きに出ると、その収入によってはそれまで積み立ててきた年金が満額もらえないのである。
こんな理不尽なことがあっていいものかと思う。福井総裁は約3千万円もの俸給を受け取りながら、その上800万円近い年金も受け取っているのだ。

まあ、福井総裁の去就については、総裁自身に決めていただくしかないわけであるが、ただ、村上ファンドへの出資の件も、高額資産の件も、年金の件も、福井総裁自身は全く違法行為をしているわけではない、という現実がある。

総裁にしてみれば、普通に働いて、普通に収入を得、普通に資産を運用した結果であり、もしそれに異論を唱えるのなら、そのようなシステムを容認してきた官僚や政財界、法律に問題があることを訴え、改善を行うべきである。

もし福井総裁が咎められることがあるとすれば、日銀内においてそのようなシステムの不備を放置し、自らがそのシステムを利用して国民の反発を買う行為を行ったことである。そのことについてはきちんと謝罪し、早急なシステムの改善を行うことを約束しなければならない。

では、日銀の幹部や政治家、高級官僚などは、利殖行為を行ってはいけない、などという規制を設ければよいのだろうか。

そんなことはないと思う。

むしろ、収入の内の一定額(例えばボーナスの半分)を、例えばETF投信(TOPIX)で支給するよう義務付けたらどうだろうか。それらは在職中は売却できないようにすれば、否が応でも株価の上昇に向けた努力を行うようになるだろう。

ただし、これだけでは自由に使える収入が大幅に減ることになるため、必要があれば支給されたETF投信を担保に、その簿価の例えば8割までを無利息で貸し付けるようにすればよい。

借入金は退職時までに返却すればよいが、返却できない場合は担保を没収することになる。また、株価の下落等で担保割れが起きそうな場合は、事前に通知を行った上で予め決められた基準で担保を強制決済し、決済金を全額国庫に納めればよい。

このシステムの対象者は、収入を減らさないためには株価を上げるような政策努力を行わなければならず、意に反して株価が下落した場合には、痛みを感じることになる。
そうなれば、少しは国民の痛みの一部を身を持って知ることになり、少しでも痛みを和らげられるような政策を志すことになるのではなかろうか。

もちろん、株価だけで全てを判断できるわけではない。もし可能であるならば、GDPに連動した投信や消費者物価指数に連動した投信などを新設し、あるいはもっと極端に言えば、政治家や官僚に対する国民の満足度を指数化した投信を新設し、それらを支給の対象とすることができれば、なお理想的であろう。

もっとも、それらをオープンな市場で売買できるかどうかは疑問であるが、少なくとも政治家や官僚の査定通知の役割を持たせることはできるのではないだろうか。
その査定に基づいて収入の一部を算定するわけであり、これは極めて合理的な方法だと思うのである。


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