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税について考える(その2) [投資・経済全般]

最近、株式投資を始めた方は、ご存じないかも知れないが、平成14年末までの株式売買の譲渡益税は、申告分離課税と源泉分離課税の2通りがあった。

申告分離課税は、実際の売買益の26%(内6%は住民税)を税金として納め、確定申告が必要、一方、源泉分離課税は、売却額(売却益ではない!)の1.05%が税金として株式売却時に徴収され、確定申告は不要、というものだった。

申告分離か源泉徴収かは、現行の特定口座でも選択可能だが、現在の特定口座での源泉徴収が、最終的には損益通算され、申告でも源泉でも最終的な納税額は原則として同一であるのに対し、当時の源泉分離課税は、最終的に損失が出ても、一旦収めた税金は、確定申告をしても戻ってこなかった。

源泉分離課税は、保有株式に5.25%の利益が乗った時に売却した場合の、申告分離課税額と同一になるように決められており、そのため、利益が5.25%を超えてから売却すれば、申告分離課税を選択するよりも納税額が安くなるというメリットがあった。
確定申告は面倒な作業でもあり、特定口座が誕生するまでは、一般の投資家の多くが源泉分離課税を選択していたのではないだろうか。

かく言う私も、3年前までは源泉分離を選択しており、年の前半で利益を上げていたものの、後半で損失が膨らみ、結果的には払わなくて済んだ税金を払ってしまったことがある。

とまあ、ここまで何でこんな話をしてきたかというと、昨今の株式市場の活況、取り分け、個人投資家の台頭の一因が、この税制改革にあったのではないかと思ったのである。

個人投資家、特にデイトレーダーを中心とした短期トレードの拡大の要因は、手数料の低価格化とネット環境の普及が上げられるだろう。しかし、それ以上に、源泉分離課税の廃止の影響が大きいのではないかと考える。

同制度が廃止された翌年の4月に日経平均株価は底を打ち、その後は現在に至るまで順調に上昇している。出来高を見ても、同年5月までと6月以降とで、明らかな違いが見られる。
確かに2年前を境に企業業績が上昇に転じたということもあるだろう。しかし、源泉分離課税が廃止され、5.25%を超える利益を待つ必要がなくなった個人投資家が、当時の低迷した相場環境もあったことで、薄利多売戦略に転じ、その結果、売買の回転が早まり、日経平均株価の上昇を牽引したということがあるのではないだろうか。

株価が動くためには、売買が伴わなければならない。いくら企業業績が上がっても、誰もが株式を手放さずじっと抱えていれば、株価は動かない。しかし、売買が活発になれば、株価は大きく動き、その結果、企業業績に素直に反応した株価が形成されるのである。

さて、昨日のブログで、パチンコの収益をまじめに確定申告している人は、ほとんどいないのではないか、といったことを述べた。同様に、競馬や競輪等の配当も多くの人が申告していないのではないだろうか。
徳光さんのように、自分で大穴を当てたと公共の場で報告する人は、確定申告で申告しないわけにはいかないだろう。しかし、それ以外の場合はどうであろうか。

これらの、制度的には申告しなければならないが、ほとんど見逃されている収入は、いったいどれくらいあるのだろう。それらに課税したら、税収はどれくらいあるのだろう。
そんなことを考えた時、源泉分離課税を導入すればよいのではないかと思い付いた。

パチンコの出玉分への課税が困難なのは、その実態が把握できないからであろう。
そもそも、パチンコの出玉を直接換金することは違法である。そのため、一旦「特殊景品」なるものに交換した後、その景品を専用の交換所で現金に換える。ようするに、「特殊景品」を買い取ってもらうのである。このような流れになっているため、課税が困難となっている。

パチンコに関する現行法制度は事実上形骸化しているわけであり、まずは、法改正でパチンコの出玉の直接換金を合法化するべきである。すなわち、パチンコ店内の景品交換カウンターで、出玉を直接現金化できるようにすればよい。
その上で、換金額から常識的な税率で源泉徴収し、税引き後の残金を客が受け取るようにする。客はその時点で納税が完了し、当然確定申告の必要はない。
店は源泉徴収した税金を国に納める。お金の流れも明確になり、パチンコ業界の健全化も促進される。

客にしてみれば、余計なお金を払うことになり、おもしろくないかもしれないが、本来は払わなければならないお金である。しかも、まともに払ったら必要経費は一切認められないわけだが、源泉徴収にすれば、みなし経費が認められることになり、現行より遥かに少ない税金で済む。
100円当たり出玉数で数個分程度の負担増で、納税義務を果たし、堂々と遊戯に興じることができるのである。

国にしてみても、納税額が増えるわけだから、いいことずくめだと思うのだがいかがだろう。

一方、競馬や競輪で配当を受け取ることは、完全に合法なわけであり、すぐにでも源泉徴収制度を導入できるのではないだろうか。

例えば、自動車税やガソリン税は、当時の自動車が贅沢品とみなされていた時代の税制度であり、現状にそぐわない。
一方、パチンコや競馬に興じることは、贅沢以外の何者でもないように思える。本来の税制の意図から考えれば、むしろ、このようなところから税金を徴収するように構造改革するべきだと思う。

従来の自動車税やガソリン税は、環境税として徴収し、CO2削減等の目的に使用するべきではないだろうか。


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