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正システムと逆システムの温度差 [システムトレード]

正逆合成システムは、原則として、同一システムにおける正のピークを持つパラメータのシステムと、負のピークを持つパラメータの反転システムとを合成したものです。
したがって、例えば順張りシステムであれば、その正システムは順張りシステム、逆システムは逆張りシステムということになります。

このシステムの利点は、元となる2つのシステムの平均的なリターンを維持しつつ、リスクを元システムのいずれよりも小さくできる(可能性がある)、ということに尽きます。
これは、元となる2つのシステムが、同一システムの表と裏の関係にあり、基本的に両者の相関が小さいことに拠ります。

この正逆合成システムが効率的に機能するためには、正システム、逆システム共に、期待値が一定程度以上であり、両者が極端に離れていない必要があります。
しかし、実際にはその時々の相場つきによって、正システムは機能するが逆システムが機能しない、あるいはその反対の状況などが、多々存在します。

特に、3.11以降は、少なくとも私が運用しているシステムにおいて、順張りシステムの正システムは良く機能しているものの、逆システムがあまり機能しない状況が続いています。
あるいは、逆張りシステムの逆システムは良く機能するものの、正システムが機能していません。

これらは言葉を変えれば、3.11以降は順張りシステムは良く機能しているものの、逆張りシステムはあまり機能していない、ということです。
そのため、合成システムとしては、ほぼトントンの収支になっています。

現時点において、逆張りシステムを使わずに順張りシステムのみで運用すれば、大きな収益になっていたわけですが、それではリスク低減という合成システムの最大の理念を捨てることになってしまいます。

普通に考えれば、3.11を境に市場の構造が変化したと捉えられるわけですが、これがいつ元に戻るのか、あるいは更に異なるレジームに推移するのか、現状では分かりません。
そのような状況に陥った時に、少なくとも大きな損失を被らないことを最優先するのが、すなわち正逆合成システムの運用ということになるわけです。

市場の構造(そのシステムの前提)が、大きく2つのレジームに分けられる程度の単純なものであれば、再び3.11以前の状態に戻る可能性はあります。
しかし、恐らく構造はより複雑でしょうし、単純に正逆合成システムが再び以前のように機能するようにはならないかもしれません。

それでも、損失が膨らまない限り、これらのシステムを運用し続けるべきなのでしょうか。あるいは、どこかで見切りをつけて、他のシステムを検討する、あるいはパラメータを再調整するべきなのでしょうか。

これは、そのシステムを運用する人の思想に直結する話です。リスクを増やしてでもリターンを追及するのであれば、早々に新しいシステムに移行した方が良いかもしれません。
一方、パッシブ運用程度以上のリターンで良しとするのであれば、もう少し様子を見るべきなのかもしれません。

私の現在の立場は後者ですが、もちろん、いつまでもそれに甘んじる訳ではありません。合成システムそのものが機能しなくなる(資産カーブが管理限界を割り込む)ならば、直ちに運用を中止することになりますし、そうでなくても、元システムの片方でも明確に機能を停止したと判断できれば(けして簡単ではありませんが)、運用を一旦休止するつもりです。

現状は、順張りだけの単一システムの方がやりやすいことは確かです。しかし、その場合、いつ強烈なしっぺ返しを食らうか分かりません。
KFシステムクリエイターを開発した当初の理念に立ち戻り、現状のまま推移を見守りたいと思います。

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