SSブログ

解析的システムと論理的システム [システムトレード]

トレーディングシステムの分類方法はいろいろ考えられますが、そのロジックが解析的か論理的かで分けることもできます。
もちろん、解析的であってもその基本は論理的ですし、その逆もまた真ですが、ここでは大雑把に考えてみます。

解析的システムとは、そのロジックが連続的と見なせる関数で表現できる場合を指します。例えば、株価とその移動平均とのクロスを判定条件に用いたシステムなどは、解析的システムであると言えます。

これは、別の見方をすれば、株価を変数とした関数を作成し、その関数が取る値によって売買判断を行なうシステムである、とも言えるかと思います。
例えば、上例の移動平均システムの場合は、ある時間軸において、「株価-移動平均」という関数の値が正ならば買い持ち、負ならば売り持ちとするわけです。

さらに、上記関数の値が負から正に変わるタイミングで買いドテン、正から負に変わるタイミングで売りドテンということになります。
もちろん、株価は必ずしも連続的に変化するわけではありませんが、ここでは近似的に連続と見なすことができるという前提に立っています。

一方、論理的システムとは、そのロジックが連続関数で表せないような場合です。例えば、前日終値と前々日終値の組み合わせで、当日の売買判定を行なうようなシステムなどは、論理的システムであると言えます。

すなわち、前々日終値が上昇、前日終値も上昇なら、当日寄付きで買建、前々日終値が下落、前日終値も下落なら、当日寄付きで売建、それ以外は見送り、といった事例です。
この程度であれば、関数として表せなくもないかもしれませんが、通常は条件分岐を用いてロジックを構築するものと考えられます。

すなわち、解析的システムが、「株価⇒関数⇒売買判定」というロジックだったのに対し、論理的システムでは、「株価⇒売買判定」というロジックになるわけです。
論理的システムでは、関数という過程を含まない分、一般に自由度が小さくなると考えられています。

すなわち、それだけ少ないパラメータでロジックを記述することが可能であり、その分、過剰最適化に陥りにくい、すなわち、より堅牢なシステムを得やすいと考える人もいます。
しかし、実際には、売買判定の方法そのものが多くの自由度を有しますし、一概にどちらが堅牢かを問うことはできません。

例えば、解析的システムにおいて、移動平均のパラメータとして移動平均期間を設定した場合、その自由度は"1"に過ぎません。
売買判定における"正"か"負"かの判定もまた、自由度は"1"と考えられます。すなわち、トータルで2つの自由度しかないわけです。

一方、前々日と前日の終値判定で自由度はそれぞれ"1"ですから、この例では解析的システムも論理的システムも、自由度は同じということになります。
すなわち、解析的システムだから堅牢でない、論理的システムならば堅牢だ、などとは、一概には言えないわけです。

nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 2

マー

なかなか面白い考え方ですね。
ひとつの、構築における材料として心に留めました
by マー (2009-11-04 23:41) 

Kフロー

マーさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。

ちなみに、私は解析的システム派ですが、所詮は好き嫌い、得手不得手の問題かもしれません。

今後とも、よろしくお願いいたします。

by Kフロー (2009-11-05 08:39) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。