巷でいろいろと話題になっていますが、株価の対数変化率についてちょっと調べてみました。調査対象は、日産自動車の1993年11月1日から直近までの株価終値です。
対数変化率は、log(当日終値/前日終値)で求めました。合わせて、それを累計した累積対数変化率も求めました。

結果を次図に示します。また、比較用として、株価そのものの推移も示します。


これらを見ると、累積対数変化率はピーク位置や大小関係こそ株価推移のそれと類似していますが、株価推移が基点となる1,000円付近を中心に考えた時に、上下が著しく非対称であるのに対し、当たり前の話ですが、累積対数変化率は、やや上方向にバイアスが掛かってはいるものの、ピークの大きさは上下でほぼ等しくなっています。

対数変化率の分布については、今日の時点ではまだ求めていませんが、ややプラス側に膨らみはするものの、釣鐘型に近い形状になることが期待できます。

さて、ではこれらの値を元に、テクニカルベースのシステムを作成する場合、果たして対数変化率を用いた場合と、株価そのものを用いた場合とで、システム性能に差は出てくるのでしょうか?
それについては、感触的にはあまり差は見られないのかな、という印象です。

もちろん、値幅を参照したシステムの場合は、明確な違いが出てくるでしょうが、トレンドやオシレータなどを参照したシステムの場合は、シグナルの転換ポイントに大きな違いはないように思います。

今後、更に調査を進めていくつもりです。新たな知見が得られましたら、順次報告していきたいと考えています。