アービトラージ、マーケット・ニュートラル、ミーン・リバージョン、リターン・リバーサル等々、このところ、私にとっては専門外のこれらの言葉を見聞きする機会が増えてきました。
実際のところ、これらの言葉の意味は分かったつもりになっていても、それが表す本質的な意味についてはよく分かっていませんでした。

数か月ほど前に行きつけの書店で見かけ、ずっと気になっていた書籍があったのですが、数週間前にようやく購入し、今日、ようやく読み終えました。
その書籍に、冒頭の疑問の回答が非常にに分かりやすく、系統立って述べられています。

図解でわかる ランダムウォーク&行動ファイナンス理論のすべて

  • 作者: 田渕 直也
  • 出版社/メーカー: 日本実業出版社
  • 発売日: 2005/04/07
  • メディア: 単行本


タイトルから想像すると、本書は入門者向けの軽い書籍のように見えます。もちろん、内容は非常にコンパクトにまとまっており、豊富な図解と相まって、私のような専門外の人間にも理解しやすくなっています。

しかし、見かけの内容とは異なり、本書は帯にも書かれているように、「投資行動の本質がわかる基本書」となっています。
その内容は非常に多くの示唆に富み、システムトレードの観点から見ても参考になる事例が充ちています。

本書は全7章で構成されており、いずれの章も非常に有用なのですが、特に第6章「マーケットにわずかに存在する期待リターンの源泉と投資手法」には、大いに刺激を受けました。
冒頭に述べたように、今まで言葉としてしか知らなかった投資手法を、私なりに系統立って理解することができました。

それと同時に、私が行なっている手法(自己相関システム)はマーケット・アプローチの一種であり、必ずしも無意味なものではないことが分かり、少なからず勇気付けられました。
独学・自己流でやっていると、そういった些細な点について結構ナイーブになったりするものなのです(笑)

最終章では、ある高名なトレーダー出身の米大手金融機関のトップのコメントとして、投資に必要な資質は「好きであること」と「数字に強いこと」の2つだ、と述べています。
もちろん、これらは十分条件ではありませんが、必要条件には違いないでしょう。

私も今まで何度も心が折れそうになったことがありますが、「トレードが好き」だから、ここまで何とかやって来れたのだろうと思います。
ただ、皆さんご存じの通り、未だこの世界で実績を上げていないのが悲しいところです。必ずしも、好きだから資質がある、というわけではないようです。